2012 Fiscal Year Annual Research Report
自然界の炭素固定を担うニッケル酵素類のモデル構築による反応機構の解明
Project/Area Number |
22550059
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松本 剛 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (50311717)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ニッケル酵素 / アセチルCoA合成酵素 / メチルCoM還元酵素 / COデヒドロゲナーゼ / チオラート / 炭素固定 / メタン菌 |
Research Abstract |
前年度に引き続きアセチルCoA合成酵素のモデル研究を行うとともに、COデヒドロゲナーゼのモデル研究を開始した。アセチルCoA合成酵素モデルについては、テトラアニオン性のジアミドジチオラートmbpaを用い、反応中間体の構造モデル(nBu4N)2[Ni(mbpa)Ni(C6F5)(STip)構築にはすでに成功していたが、本錯体は反応性が乏しく、反応機構の解明には資さなかった。今年度は、mbpa配位子のフェニレン架橋部位をエチレン架橋に変えたmbea配位子を用いて同様に検討を行うとともに、反応に用いるニッケル前駆錯体を種々検討し、(nBu4N)2[Ni(mbea)]と(tmeda)NiMe(STip)との反応により、初めてメチル基とチオラートを併せ持つニッケル二核錯体(nBu4N)2[Ni(mbea)Ni(Me)(STip)]の合成に成功した(H4mbea = N,N’-(3-mercapto-3-methylbutyryl)-o-ethylenediamine, Tip = 2,4,6- triisopropylphenyl)。またX線構造解析による分子構造の同定を達成した。本錯体にCOを作用させたところ、酵素反応と同様にアセチルチオエステルMeC(O)STipの生成が進行することも明らかとなった。 COデヒドロゲナーゼ(CODH)のモデル研究にも取り組んだ。CODHの活性中心は複雑なクラスター構造をもつため、そのモデル構築は困難を極めたが、最近、[3Fe-4S]クラスターとNi/Fe錯体の反応から[NiFe3S4]クラスターの生成が示唆され、本研究課題での進展が多いに期待できる成果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)