2010 Fiscal Year Annual Research Report
ポリオキソメタレートの反応場での超分子金属錯体の構築
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22550065
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
野宮 健司 神奈川大学, 理学部, 教授 (80119354)
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Keywords | 超分子金属錯体 / ポリオキソメタレート(ポリ酸塩) / 反応場 / チタン(IV) / ジルコニウム(IV) / ハフニウム(IV) / 金(I) / 合成 |
Research Abstract |
1.欠損型ポリ酸塩の反応場でのジルコニウム(IV),ハフニム(IV)の超分子性クラスターカチオン種の合成 イオン半径がタングステン(VI)と同程度のチタン(IV)はポリ酸塩の欠損部位に入り込むことができるが、イオン半径の大きいジルコニウム(IV)、ハフニウム(IV)は、欠損部位に入ることが出来なくて、欠損種ポリ酸塩にサンドイッチされたクラスターカチオン種を形成する。ジルコニウム(IV)含有Dawson型サンドイッチポリ酸塩(1:2型錯体)と塩化酸化ジルコニウム(IV)をモル比1:1で反応させることにより、新規ジルコニウム(IV)含有Dawson型ポリ酸塩(2:2型錯体)を合成し、分子構造を決めた。また、この錯体の水溶液中での性質を^<31>P NMRで明らかにした。この研究成果は雑誌Inorg.Chim.Acta(2010)に掲載された。 2.欠損型ポリ酸塩の反応場での超分子性チタン(IV)錯体の合成 Keggin型ポリ酸塩のチタン(IV)三置換体は分子間のTi-O-Ti結合による二量体として形成される。これまでこのポリ酸塩は非常に安定と思われていたが、硝酸酸性溶液中でさらに硫酸チタン(IV)と反応させると、チタン(IV)四置換体の二量体や硫酸イオンが配位したチタン(IV)四置換体単量体が形成されることを明らかにした。この研究成果は雑誌Materials(2010)に掲載された。 3.ポリ酸塩の反応場での超分子性貴金属クラスターカチオン種の合成 金(I)/カルボン酸/ホスフィン系の錯体は、ヘテロ原子PやSiのKeggin型ポリ酸塩フリーアシッド型と反応して速やかにカルボン酸配位子を外し、ホスフィン金(I)の4核クラスターカチオン種で、中心に酸化物イオンをカプセル化した超分子錯体がポリ酸塩の相手カチオンとして形成されることを明らかにした。この研究成果は雑誌Inorg.Chem.(2010)に掲載された。
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Research Products
(18 results)