2011 Fiscal Year Annual Research Report
ポリオキソメタレートの反応場での超分子金属錯体の構築
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22550065
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
野宮 健司 神奈川大学, 理学部, 教授 (80119354)
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Keywords | 超分子金属錯体 / ポリオキソメタレート(ポリ酸塩) / 反応場 / チタン(IV) / ジルコニウム(IV) / ハフニウム(IV) / 金(I) / 合成 |
Research Abstract |
1.欠損型ポリ酸塩の反応場でのジルコニウム(IV),ハフニウム(IV)の超分子性クラスターカチオン種の合成 二種類のKeggin型ポリ酸塩三欠損種を前駆体にして、ジルコニウム(IV)/ハフニウム(IV)の四核クラスターカチオンをサンドイッチした新規のKeggin型ポリ酸塩(4:2型錯体)を合成し、分子構造を決めた。これらの錯体をルイス酸触媒に用い、アルデヒドとシリルエノールエーテルの向山アルドール反応に対する触媒活性および生成物の立体選択性を調べた。その研究成果は現在投稿準備中である。 2.欠損型ポリ酸塩の反応場での超分子性チタン(IV)錯体の合成 Dawson型ポリ酸塩チタン(IV)三置換体の四量体(架橋なし四撮体)の中心空間にカプセル化される塩化物イオンがアンモニウムカチオンに変換できることを合成化学的に明らかにした。この研究成果は雑誌Inorg.Chem.(2011)に掲載された。またこれまで非常に安定と思われていたKeggin型ポリ酸塩のチタン(IV)三置換体および二置換体のそれぞれ二量体を強酸性下で硫酸チタン(IV)と反応させて、新しい硫酸イオン配位のチタン(IV)含有ポリ酸塩が形成されることを明らかにした。この研究成果は雑誌Inorg.Chem.Commun.(2012)に掲載された。 3.ポリ酸塩の反応場での超分子性貴金属クラスターカチオン種の合成 金(I)/カルボン酸ボスフィン系の単核錯体は、Keggin型ポリ酸塩フリーアシッド型と反応してカルボン酸配位子を外すと、中心にm\4-O原子を含むホスフィン金(I)の4核クラスターカチオン種が形成される。Keggin型ポリ酸塩の酸性度の影響を調べるために、ポリ酸塩のナトリウム塩を用いたところ、新規のボスフィン金(I)の7核クラスターカチオン種が形成された。この研究成果は現在投稿中である。 4.その他関連する研究として新規の無機-有機ハイブリッド型のKegginおよびDawson型ポリ酸塩の合成をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究目的および研究計画・方法が合理的であったからと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究目的が達成されるよう今後の研究計画を十分に精査検討する。
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Research Products
(27 results)