2012 Fiscal Year Annual Research Report
多重水素結合無機―有機複合モジュールを用いた一次元階層構造の構築
Project/Area Number |
22550067
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
川田 知 福岡大学, 理学部, 教授 (10211864)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 階層構造 / 多重水素結合 / 金属錯体集積体 |
Research Abstract |
遷移金属錯体をビルディングブロックとした金属錯体集積体は、複合化された階層構造と単一の金属錯体にはない量子的性質を持つことから、多面的な化学特性を持つことができる。 一方、水素結合は生体を構成する重要な相互作用であるとともに、自己組織化の主要な相互作用として多くの分野で注目されている。また、水素結合により連結された化合物は、そのプロトン移動を介した物性発現、あるいは電子移動とプロトン移動が競合することによる新しい物性発現が期待される。従って、水素結合を補助的相互作用とする金属錯体階層構造設計は新たな機能性物質構築につながると考えられる。 本研究は、材料化学において改めて注目されている一次元性階層構造を、無機-有機複合モジュールをビルディングブロックとし、特異的な多重水素結合を結合的相互作用として用いて構築する物質創製研究である。特殊な水素結合を組み込んだ階層構造の相互作用系研究は現在までほとんど知られていない。そこで本研究では、多重水素結合一次元性階層構造の合理的合成法の確立と合成された化合物群のキャラクタリゼーションを行った。 H2tdpdを配位子とする金属錯体と特異的な酸化 還元特性をもつ機能性置換基を導入したメラミン誘導体、あるいはメレムをパートナーとして得られる、AAA-DDDあるいは AAAA-DDDD多重水素結合により繋がれた金属錯体-有機物ハイブリッドを用いて、一次元階層構造を構築する。これらモジュールは、平面性が高く、上下の配位座が空いているため、配位結合、スタッキングにより集積することが予想される。そこで、これら複合モジュールを用い、金属錯体とパートナーの特殊な酸化状態を達成するために電解合成により“ポリメリック”な集積化を図った。得られた一次元階層構造の伝導性、磁性、誘電性、IR、ラマン分光測定等を行い、水素結合の関与した物性発現機構を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)