2012 Fiscal Year Annual Research Report
生体内金属イオン検出のための新規な蛍光共鳴エネルギー移動型化学センサーの開発
Project/Area Number |
22550068
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
川上 淳 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (60261426)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 金属イオン / 蛍光共鳴エネルギー移動 / 蛍光性化学センサー / 2-アミノトリプタンスリン / 超分子化学 |
Research Abstract |
生体内で様々な重要な働きをしている金属イオンが「いつ」、「どこで」、「どのように」作用しているかを明らかにすることは生命科学の研究にとって非常に重要である。その最も有力な手段として、蛍光性化学センサーがある。本研究では、研究代表者が見いだした優れた蛍光特性を有する2-アミノトリプタンスリンを蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)のエネルギーアクセプター(A)とする種々の新規なFRET 型蛍光性化学センサーを合成し、生体内における必須金属イオン及び有毒金属イオンの定量検出について検討した。その結果、例えばエネルギードナー(D)としてピレンを用いた系では、ある一定の長さのスペーサーで、D, Aをつなぐことによって、低濃度で効率の良い分子内FRETがおこることや、スペーサーの長さを調整することで、金属イオンの選択性に影響すること等を明らかにした。特に Hg2+, Cu2+, Fe2+, Fe3+に対しては、FRET-on から FRET-off へ顕著な蛍光変化が観測され、報告例の少ないHg2+ や Cu2+ に対する蛍光“発光型”化学センサーとして応用できることを明らかにした。また、今回合成したFRET 型蛍光性化学センサーはいずれも優れた蛍光ソルバトクロミック挙動を示し、Dがピレンや8-メトキシクマリンの系では紫から赤、Dがウンベリフェロンの系では青から赤の可視領域全般の蛍光を示すこともわかり、細胞内の環境変化(分子周辺の極性変化)を調べる蛍光プローブとしての応用が可能であることもわかった。以上のように、新規金属イオン用 FRET 型蛍光性化学センサーの開発において重要となる、幾つかもの知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)