2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22550069
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中谷 清治 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (00250415)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 分析科学 / 表面・界面物性 |
Research Abstract |
メソ細孔を有する単一のマイクロメートルサイズのシリカゲル及びオクタデシルシリル(ODS)シリカゲル粒子を溶液中にインジェクションし,単一微粒子操作法と顕微吸光法または共焦点顕微蛍光法を組み合わせた手法で多孔性粒子/溶液系での物質移動過程の速度論的解析を行った。 多孔性粒子/溶液系の溶質の物質移動過程の素過程であるポア拡散,表面拡散,粒子表面の細孔出入り口における取り込み・放出,粒子表面近傍における拡散などを明らかにするため,難水溶性化合物(蛍光色素)とトリトンX-100(非イオン界面活性剤)を含むODSシリカゲル(細孔直径 12 nm)/水系で,色素の放出過程について検討した。水不溶性化合物であるペリレンを用いると,放出速度定数は粒子半径に反比例し粒子表面で色素を取り込んだミセルが脱離する過程が律速となったが,水にわずかに溶ける難水溶性化合物であるクマリン102を用いると,放出速度定数は粒子半径の2乗に反比例し粒子表面で水相に拡散する過程が律速となった。どちらの色素においても,粒子内の色素分布は濃度勾配を持たずに一定のまま減少し,粒子内における表面拡散やポア拡散は非常に速く律速段階にならなかった。 また,多孔性粒子/水系において,水溶液のイオン強度低下に伴って電気二重層の厚みの増加が,細孔内や細孔出入り口での物質移動過程に与える影響について検討した。シリカゲル(細孔直径 6.5 nm)/水系におけるカチオン性ポルフィリンの物質移動過程は,イオン強度が高い系でのローダミン6Gの収着過程のように細孔内拡散のみで解析することはできず,粒子内部の負電場と色素の正電荷が起こす静電相互作用が関与することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)