2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22550071
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
平山 直紀 東邦大学, 理学部, 教授 (20260557)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | イオン液体 / キレート抽出 / 中性錯体 / 荷電錯体 / 配位子交換 / 三元錯体 |
Research Abstract |
イオン液体キレート抽出系における優勢抽出種を安定化させる因子の探求という観点から、以下に示す研究を実施した。 1.配位不飽和中性錯体を安定化させる因子に関する検討: 2-テノイルトリフルオロアセトンによる3価ランタノイドイオンの抽出において、抽出種である中性錯体にはイオン液体を構成するビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド陰イオンが水和水分子と交換して配位していることを示す知見が得られた。このことは、配位不飽和中性錯体を安定化させる因子の一つにイオン液体陰イオンによる溶媒和が挙げられることを意味している。しかし、配位能を有さないヘキサフルオロリン酸塩型イオン液体でも類似の特性を示すという事実は、安定化に寄与する因子が他にも存在しうることを示唆しており、今後より詳細な検討が必要である。 2.配位飽和陰イオン性錯体を安定化させる因子に関する検討: 多量の塩化物イオン共存条件下での2価遷移金属イオンのイオン液体キレート抽出における抽出増大効果の発現という前年度の成果をふまえ、共存イオンを臭化物イオンとする比較対象実験を行ったところ、逆に抽出抑制効果が見られた。このことは、抽出に有利な陰イオン性三元錯体には一定の構造的制約要件が存在すること、またその制約にはイオン液体による溶媒和との競争反応が含まれていることをを意味している。この結果は、新たな物質分離系の創成における有用な情報であり、今後さらなる研究を進めていく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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