2010 Fiscal Year Annual Research Report
ラテックス粒子の油水界面移動の技術を用いた巨大生体分子の界面反応の解析
Project/Area Number |
22550072
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
陳 競鳶 福井大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50311676)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 幸一 福井大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80142264)
西海 豊彦 福井大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10377476)
|
Keywords | 油水界面 / ラテックス / 電気化学 / 荷電高分子球 / ヒドロゲル粒子 / 固体電解質 / 光学 / 懸濁液 |
Research Abstract |
電気化学および光学的検出できる巨大荷電ラテックス或いは液滴を巨大生体分子の模倣体とし、自然に起こっている過程を模倣することにより、制御因子を見出すことが本研究の目的である。2010年度実施した研究結果は以下の様である。 1. 電気化学および光学的検出できる単分散した巨大荷電ラテックス、(ポリープロピルアクリルアミドアクリル酸ヒドロゲル粒子)を合成した。ラテックスのSEM観察およびその分散液の光・学顕微鏡観察により、粒子の形状、分散性などの基本的な性質を求めた(論文2)。 ● ラテックスに固定された官能基の濃度を重量法および電気化学測定法により同定した。一粒子が6.0×10^8のカルボキシル基を含んでいた。 ● ラテックスがガラスや、白金表面に規則的配列で自然に吸着された。pK_a=5.2を持つ、約1モルの高濃度の固体カルボキシル酸に相当した。 ● 粒子の半径は、懸濁液の塩濃度、pH値、温度の減少により0.5-1.0μm、の範囲で可逆的に変化した。粒子の密度は、乾燥状態が0.30g/cm^3、濡れた状態が0.98g/cm^3であった。 2. ニトロベンゼン(油相)と水相との界面における油滴の移動をUV、光散乱(DLS)、およびボルタンメトリーなどの分析法により定量的データを得た(論文1)。 ● 油と水の接触により界面を形成させた。油水両相とも透明だが、光散乱による測定結果では、それぞれ異相中に滴が存在した。水滴は界面近くの油の側で、油滴は水の側で自然に形成された。 ● フェロセンを飽和した油と水を用い、電位制御と光学的手法を組み合わせた界面研究法を開発した。ボルタンメトリーピーク電流は水中に溶かしたフェロセンとフェロセンを含まれている油滴の拡散によって制御された。その比は1/3.6倍、油滴の個数濃度が1.1×10^<14>dm^<-3>であると見積もった。隣接した2つ油滴の間の平均距離はL=2.1μmだった。拡散による油滴衝突の時間はL^2/D=1.3秒に対応した。油滴集合が起こらない理由は、衝突時間が実験時間に比べて著しく長いからである。
|