2012 Fiscal Year Annual Research Report
薄層電解セルを用いた電位変調電解抽出クロマトグラフィーの創製
Project/Area Number |
22550073
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉田 裕美 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (40314306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 耕治 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (00229303)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 液液界面 / 薄層 / 電解セル / 導電性高分子 / イオン / 分離 / クロマトグラフィー |
Research Abstract |
水相|有機相界面に界面電位差を印加すると、イオン性化学種を水相から有機相へ、または有機相から水相へと自在に電解抽出することが可能である。特に、水相と有機相を薄層にした場合、迅速・高効率な電解抽出法となる。本研究では、水相(移動相)と有機相(固定相)を薄層にした液液界面電気化学フローセルを用いて、電位操作によって水相と有機相間のイオンの分配係数を連続的に変化させながら分離するクロマトグラフィー、すなわち電位変調電解抽出クロマトグラフィーについて検討した。有機相として低揮発性有機溶媒を用いることで、水相と有機相を 30-50μm まで薄層にした耐久性の高い液液界面電気化学フローセルを開発した。同セルを用いて、イオンの水相から有機相への電解抽出および有機相から水相への電解逆抽出を評価したところ、100%に近い電解効率で定量的にイオンの抽出・逆抽出を実現できた。次に、界面移動エネルギーが既知であるアルキルアンモニウムカチオンを複数含む試料溶液を準備し、電位変調電解抽出クロマトグラフィーを行った。その結果、長さ 20 mm の流路を持つ電解セルにおいて、イオンの電解抽出にともなう電流ピークが二つに分離する現象を見出した。この電流ピークの分離は、電位掃引速度が遅いほど、大きくなる傾向にあった。本研究で検討された分離原理は、分配係数を連続的に変化させる点で、従来のクロマトグラフィーにおけるグラジェント分析と類似しているが、電気化学的な操作を試料の滞在時間に何度も繰り返すので、グラジェント分析とは原理が異なる。試料の流速と界面電位差の掃引を利用することによって界面移動電位の差が小さいイオン間の相互分離が可能であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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