2011 Fiscal Year Annual Research Report
液体クロマトグラフィーによる生体由来高親水性化合物の超高性能分離法の開発
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22550074
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
池上 亨 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (20301252)
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Keywords | HPLC / シリカモノリス / 重合修飾 / 高親水性化合物 / 高性能分離 |
Research Abstract |
(1)超高性能のHILIC型、WCX型、WAX型の修飾を施したカラムを調製する。 ある置換基を有するメタクリレートモノマーを使用してシリカモノリスカラムを重合修飾した場合、洗浄可能なポリマーの限界濃度を過去の研究例より著しく高くできることが明らかになった。シリカモノリスを調製する際のバッチを同じ条件で揃えたもの、異なる条件で調製したものを混在したものについてそれぞれ重合修飾を行ない、同じバッチ間では保持の値が再現性良く調製可能なことが示された。この系については市販のカラムを上回る保持、分離特性が得られた。カラム長も1mのものを調製できたため、親水性相互作用クロマトグラフィーの超高性能化は現実味を帯びてきた。この技術の特許化について企業と相談中である。 ポリマー結合量を段階的に変えたモノリスカラムをセットで調製し、糖鎖等高極性化合物に対するそれぞれの分離性能(分離時間、圧力当たりの理論段数、ピーク対称性など)について検討した。 親水性相互作用クロマトグラフィー条件下での新規カラムテスト法を報告した。これによって当新規固定相と市販の親水性相互作用クロマトグラフィー用カラムの分離特性を比較検討しやすくなった。 (2)弱いイオン交換型カラムに用いる、新規選択部位の検討 上記の「ある置換基を有するメタクリレートモノマー」重合修飾したシリカモノリスカラムは弱カチオン交換性カラムとしても機能する。ヌクレオチドなど、核酸類の分離において、イオン強度の弱い緩衝液を用いてもカラムから溶出することが可能であり、質量分析系への接続を視野に入れた時、遺伝情報の解析に大きな意義を示すと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HILIC型固定相のテスト法を発表した。おそらく,分析対象の構造識別性を評価する方法としては世界初の手法と言える。弱酸性のHILIC型固定相として,シリカモノリスに修飾したもののうち,粒子充填型カラムを上回る保持を示すものが見いだされた。これまで、シリカモノリスは粒子充填型の1/3程度の保持しか出せなかったが,今回の発見はそれを覆す興味深い結果と言える。この内容を特許化するべく協議したため,今年度中の発表はかなわなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の変更は特にない。研究を遂行する上での問題点も特にない。
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Research Products
(9 results)