2010 Fiscal Year Annual Research Report
全物質を対象に超高感度な光干渉を利用した汎用化学計測システムの開発
Project/Area Number |
22550077
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
吉留 俊史 鹿児島大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (60253910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥後 盛秀 鹿児島大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (10128077)
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Keywords | 光干渉 / 屈折率 / 高感度 / 全物質 |
Research Abstract |
本研究では、試料の屈折率をモニターすることで全ての物質を計測対象とし、光の干渉現象を利用することで超高感度を実現する汎用の化学計測法・検出法を構築することを目指す。光干渉を化学計測に応用するために、多光路長セルの設計・製作、ニュートンリングの応用、光ファイバーとグースヘンシェン偏移の利用、という3つのアイデアを提案して目的を実現していく。 H22年度の実績は、研究計画調書とそれまでの進行状況に、配分額および人員などの研究態勢を加味して立案した交付申請書に沿って以下のとおりである。(1)これまで使用していた手作りの光干渉計を、市販の機器を導入して改良し、性能を向上させることを試みた。基本的な実験を行った結果、分単位の安定性は得られたものの、時間単位では信号にゆらぎがあったため、装置性能の理論予測との比較を十分に行うことはできなかった。大学構内での土木建設工事による振動が原因と考えている。(2)試料の屈折率を一意に得るための第1のアイデア、すなわち試料セルの厚さを変化させる手法(多光路長セル)を、計算機シミュレーションにより調べた。光路長の異なるセルを並列に複数個並べた階段形多光路長セル、あるいは連続的に光路長が変化する連続形多光路長セルを具体的に設計し、期待される成果を計算により算出した。例えば、1,4,50μm長3段式多光路長セルでは、0.002%の安定性が得られといった予測成果を得た。(3)光路長などをパラメーターとして計算を行い、工作可能なものとして0.5,4,10mm長3段式多光路長セルを試作した。長時間揺らぎのため成果は計算結果よりも劣るものの、多段式多光路長セルというアイデアの実現可能性が示唆された。
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