2010 Fiscal Year Annual Research Report
色素分子の表面吸着に伴う二次元キラリティーの発現度キラルドメインの形成
Project/Area Number |
22550082
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
宮村 一夫 東京理科大学, 理学部, 教授 (40157673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友野 和哲 山口大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (40516449)
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Keywords | 表面構造 / 色素 / 吸着構造 / キラルドメイン / 二次元キラリティー / インジゴ / インダントロン / 金属錯体 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、色素分子によるキラルドメインのダイナミクスを解析し、キラルドメイン形成が吸着構造の維持、すなわち色落ちの抑制に有効であることを実験的に証明するとともに、吸着構造を安定化させる定着剤の効果を検証することである。以下の手順で研究を進めた。 まず、色素分子の吸着機構について、原子分解能を持つ走査型トンネル顕微鏡(以下、STM)を活用して、吸着構造の経時変化・試料溶液に対する濃度依存性を詳細に検討した。また、長時間の測定を行い、経時変化の解析も行った。色素の多くは、その化学構造式からも吸着により二次元キラリティーを発現する。とくにインジゴ(和名:藍)分子とインダントロン色素に着目して研究を進めた結果、以下の成果を得た。 (1)インジゴ(和名:藍)およびインダントロンについてアルキル長鎖を導入した化合物の合成を行い、単離することに成功した。(2)このアルキル長鎖を導入した色素のいくつかについて、黒鉛表面での吸着構造を走査トンネル顕微鏡で観察することに成功した。(3)濃度依存性が存在することも分かったが、まだ十分に高い空間分解能での観察ができていない。(4)経時変化についても解析を行い、ドメインが変化する様を観察するのに成功したが、こちらも十分な空間分解能ではなかった。(5)安定に長時間の測定を行うにはまだ技術的に克服すべき点があり、問題点の洗い出しを行った。(6)いずれの分子についても特徴的な二次元キラリティーを観察するのに成功した。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Synthesis, crystal structure and spectroscopic studies of copper(II) complex of C-meso-1,5,8,12-tetramethyl-1,4,8,11-tetraazacyclotetradecane2011
Author(s)
K.Tomono, E.Otani, R.Ikeda, Y.Soneta, N.Saita, K.Miyamura
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Journal Title
J.Incl.Phenom.Macrocycl.Chem.
Volume: (電子媒体)
Peer Reviewed
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