2012 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光性リポソームと膜透過性分子を用いた酵素センサーの開発
Project/Area Number |
22550086
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
宮武 智弘 龍谷大学, 理工学部, 教授 (10330028)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 酵素 / リポソーム / センシング / 生体膜 / 阻害剤 |
Research Abstract |
蛍光性リポソームと膜透過性のポリマーを用いて、プロテインキナーゼならびにその阻害剤の活性を評価できるシステムの構築を目指した。プロテインキナーゼは細胞内における様々なシグナル伝達に係わる酵素で、ATPのリン酸をタンパク質に転移して、リン酸化タンパク質とADPを生成する酵素である。ATPはアニオン性であることから、カチオン性のポリマーと錯形成しながらその膜透過を抑制することを利用して、プロテインキナーゼの活性を蛍光で評価した。このとき、酵素阻害剤を加えてプロテインキナーゼの活性評価を行うことによって、異なる構造をもつ3種類の阻害剤(H-89, daphnetinおよび6-22amide)の活性評価を行った。その結果、本酵素活性評価システムはこれらの阻害剤においても有効に機能することを見出し、プロテインキナーゼ阻害活性評価において高い汎用性を有することを確認した。 一方、スクロースなど食品中に含まれる成分を本酵素センサーで検出する応用研究においては、検出感度の向上が課題である。そこで、従来の膜透過性ポリマーよりも低濃度で機能する膜透過性分子の開発を目指した。分子膜の疎水性領域をより効果的に透過できるようにカチオン性のポリマーに疎水性のピレン基を導入した膜透過性ポリマーを新規に合成した。その結果、合成した膜透過性ポリマーは高い膜透過活性を有するとともに、従来よりも低い濃度で活性を有することを確認した。つぎにこのポリマーを用いて、ATPとADPの変換を伴うヘキソキナーゼの活性評価を行ったところ、従来よりも少ない量の酵素溶液で、酵素活性を測定することができた。こうして新規合成した改良型の膜透過性ポリマーを用いることによって、より少ない量のスクロースの検出が行える酵素センサーが構築できることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)