2012 Fiscal Year Annual Research Report
高機能性脱水素錯体触媒を活用する均一系可逆的脱水素化/水素化反応の開発と展開
Project/Area Number |
22550098
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山口 良平 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 名誉教授 (40115960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 健一 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (80293843)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 水素貯蔵システム / 有機金属錯体触媒 / 脱水素化反応 / 水素化反応 / イリジウム錯体 / 含窒素複素環 / 有機ヒドリド |
Research Abstract |
21世紀のクリーンエネルギー源として重要な水素の高度利用のために、常温常圧で気体であり、また爆発性のある水素を効率的かつ安全に水素を貯蔵できるシステムの構築が望まれている。本研究では、含窒素複素環を貯蔵媒体とする水素貯蔵システム構築を目指して、含窒素複素環の脱水素化と水素化反応の両方を効率的に行う金属錯体触媒を創製し、可逆的触媒反応系の開発を目的とした。 前年度までの研究成果を基盤として、本年度は、1)より高性能の錯体触媒の設計と合成、2)水素含有率の高い含窒素複素環の脱水素化/水素化反応触媒系の構築について検討した。 まず、1,10-フェナントロリン-2,6-ジオン配位子を有する新規中性錯体イリジウム錯体触媒を設計・合成した。続いて、2,6-ジメチルデカヒドロ-1,5-ナフチリジン(水素含有率:6.0%)の触媒的脱水素化を行ったところ、キシレン還流条件下の反応により5当量の水素ガスの発生を伴って2,6-ジメチル-1,5-ナフチリジンにほぼ定量的に変換された。また、同じ錯体触媒を用いて、2,6-ジメチル-1,5-ナフチリジンの水素化反応についても検討した結果、2,2'-ビピリドナート配位子を有する錯体では低収率であった水素化反応がほぼ定量的に進行し、この脱水素化反応/水素化反応を連続して行うことにも成功した。また、反応機構についても調査し、触媒活性種の可逆的変換が鍵となっていることを解明した。さらに、水素含有率6.3%のオクタヒドロ-4-アザインドールの脱水素化反応と4-アザインドールの水素化にも成功した。以上の成果は、アメリカエネルギー局(DOE)が目標としている水素含有率6%以上の水素貯蔵システム構築の基盤となるものである。 また、本研究で開発した2,2'-ビピリドナート配位子を有する錯体がアルコール類の脱水素化反応においても、顕著な触媒活性を有することも明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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