2012 Fiscal Year Annual Research Report
酸化的カップリングによる含硫黄縮合芳香族化合物の高効率合成
Project/Area Number |
22550101
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 哲也 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40273586)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ルテニウム触媒 / ロジウム触媒 / パラジウム触媒 / 酸化的カップリング / 炭素―水素結合切断 / 縮合環形成 / パイ共役分子合成 |
Research Abstract |
本研究の最終年度にあたる平成24年度は、①これまで見出してきた触媒系を用いた新反応開発、②これまで見出してきた新反応を用いたπ共役分子合成に取り組んだ。まず①の取り組みとして、ごく最近見出したルテニウム触媒系の適用範囲拡張について検討を行ったところ、芳香族アミドやフェニルアゾール類とアルキンとの、非酸化的カップリングを開発することに成功した。これらの反応は、ごく少量のカチオン性ルテニウム触媒と酢酸のみを添加する条件で効率よく進行し、反応系がシンプルで廃棄物の極めて少ない環境調和型カップリング法と言える。芳香族基質の適用範囲が広く、今なお適用できる基質が次々見出されており、今後も継続的に検討を続ける予定である。また、カチオン性ロジウム触媒を用いると、ジフェニル酢酸類の分子内脱水素アリール―アリールカップリングが起こり、フルオレン誘導体が合成できることが明らかになった。フルオレン骨格形成は、分子のπ共役系を拡張する上で、非常に重要な手段であるが、本法のように活性化されていないジフェニルメタン類から二つの炭素―水素結合の位置選択的切断を経るフルオレンの合成ルートは、これまで困難とされてきた。さらに適当なロジウムおよびイリジウム触媒を用いる条件で、ジフェニルメチルアミンやジフェニルメタノール類の脱水素環化もスムーズに進行し、それぞれ9-アミノおよび9-ヒドロキシフルオレンが高収率で得られることがわかった。一方、②の取り組みとしては、見出した脱水素環化などを用いて、インデノフルオレン骨格を始めとする拡張されたπ電子系を有する分子の合成を行い、固体蛍光等の基礎物性を調べた。これらの分子の応用については、今後他のグループと共同で長期的に取り組む予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)