2010 Fiscal Year Annual Research Report
新低原子価チタン反応剤による炭素-酸素,窒素-硫黄結合解裂反応の開発と合成利用
Project/Area Number |
22550103
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
岡本 専太郎 神奈川大学, 工学部, 教授 (00201989)
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Keywords | 有機化学 / 有機合成化学 / 低原子価チタン反応剤 / 結合解裂 / 脱保護法 / スルホンアミド / エポキシド / ラジカル反応 |
Research Abstract |
(1)スルホンアミド類のS-N解裂反応 種々のスルホンアミド類がTi(O-i-Pr)_4/Me_3SiCl/Mg反応剤を用いることで解裂し,対応するアミン類を収率よく与えることを見いだし,スルホンアミド類の脱保護法として開発できた(論文投稿中)。この際,適当な置換基を有するスルホニル基を用いると,C-S結合解裂が同時に進行し,スルホニル基部分は対応する炭化水素へと変換されることが判明した。このことは,悪臭を伴うチオールを複製しない脱スルホニル化反応として,特に大規模スケールでの反応適用に適している。 (2)エポキシドやオキセタンのC-O結合解裂反応 エポキシド類やオキセタン類がTi(O-i-Pr)_4/Me_3SiCl/Mg反応剤を用いることでC-O結合をラジカル的に解裂することを見いだした。さらに,生成するラジカルが反応剤由来のチタン上のアルコキシ基の水素を引き抜いて反応が完結していることが判明し,この反応機構を活かして立体選択的なエポキシドの還元反応を実現した(論文投稿準備中)。さらに,用いるチタン化合物をTi(O-i-Pr)4から四座配位型トリオール由来のチタン錯体に変更すると,触媒量のチタン種で反応が進行すること,この際には,チタン上のアルコキシ基上に水素源が無いため,外因性の水素源を必要とすることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)