2012 Fiscal Year Annual Research Report
配位不飽和二核ニッケル錯体を鍵とする協奏触媒開発と汎用性触媒系の開拓
Project/Area Number |
22550104
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
松原 公紀 福岡大学, 理学部, 准教授 (00294984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 裕二 福岡大学, 理学部, 助教 (60373148)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ニッケル2核錯体 / ニッケル1価錯体 / 触媒反応 / Kumadaカップリング / 触媒的アミノ化 / トリアリールアミン合成 |
Research Abstract |
本研究では、2核ニッケル錯体触媒の触媒反応系中における金属種の協奏的役割を明らかにすると共に汎用性の高い触媒プロセスの創生を目指して研究を行った。24年度の主な成果は以下のとおりである。 ①2核ニッケル錯体を用いたKumadaカップリング反応の触媒反応中間体を追跡し、また量論反応過程で生成するビアリール類の同定を行い、反応経路の推定を行った。計算科学的手法によって一部の経路の妥当性を評価した。シンクロトロン放射光を使った反応中間種のX線分光を行った。 ②2核ニッケル錯体を触媒として用いたハロゲン化アリールのBuchwald-Hardwig aminationが、通常反応しにくいジフェニルアミンを用いた場合にも穏やかな条件で進行することを明らかにした。室温でもゆっくりと反応が進行し、良い収率でトリアリールアミンが生成した。本反応は有機電子材料として有用な種々のトリアリールアミン合成法としての可能性があると考えている。 ③2核ニッケル錯体は酸素に対して極めて不安定であるが、2電子供与配位子を加えて安定化することが可能であることを見出した。具体的にはトリフェニルホスフィンやホスファイト、ピリジン、ビピリジン類、ビスホスフィンを用いて単核ニッケル1価錯体の構築を試みた。得られた錯体の構造を決定するとともに、aminationの触媒として適用したところ、予備的ではあるものの一部の錯体において高い活性を認めたこと、ビピリジンを用いたときに安定ながら高い触媒活性を見出したことは重要であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)