2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22550106
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
寺境 光俊 秋田大学, 大学院・工学資源学研究科, 教授 (70251618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 昌隆 山形大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (10361271)
川口 正剛 山形大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (00204694)
松本 和也 秋田大学, 大学院・工学資源学研究科, 助教 (70467025)
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Keywords | 長鎖分岐高分子 / 高分子合成 / ポリ乳酸 / 芳香族ポリアミド / ポリアミノ酸 / ランダム分岐 / くし型分岐 |
Research Abstract |
高分子材料の力学特性は分子鎖の絡み合いによるところが大きく,直鎖高分子に少量の分岐点を導入した長鎖分岐高分子は線状高分子より高い分子鎖絡み合いが期待できる。これまですべての高分子鎖に均一に少量分岐点を導入することはできなかった。本研究ではAB2型マクロモノマーの自己重縮合により従来不可能だったすべての分子鎖に分岐点を少量導入した長鎖分岐高分子を合成する。 平成23年度はポリ乳酸、芳香族ポリアミド,ポリアミノ酸について、長鎖分岐高分子およびAB2型マクロモノマーを合成し,特性解析を行った。AB2型マクロモノマーの自己重縮合により長鎖分岐ポリ乳酸の合成をおこなった。分岐点を導入すると溶液中におけるポリマーの回転半径が小さくなることが実験的に明らかとなった。分子量と回転半径の関係から、分子構造がくし型からランダム分岐型に変化することを光散乱実験により明らかにした。AB2型開始剤を用いた連鎖重縮合により直鎖部分重合度を制御したAB2型ポリアミドマクロモノマーを合成した。また、サルコシンNCAの開環重合をAB2型開始剤により行い、AB2型ポリアミノ酸マクロモノマーを合成した。AB2型マクロモノマーの合成はこれまでリビングアニオン重合を中心に報告されており、連鎖重縮合、NCA開環重合を適用した初めての合成例である。平成24年度にこれら新規AB2型マクロモノマーの自己重縮合を行い、直鎖部重合度を絡み合い点間分子量の前後で変化させた長鎖分岐高分子を合成予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
AB2型マクロモノマーの合成に時間がかかり当ポリアミド、ポリアミノ酸について平成23年度中に長鎖分岐高分子を合成することができなかった。平成24年度に合成予定である。また、論文執筆が遅れており、平成24年度中に3-4報を国際誌に投稿予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に合成したAB2型マクロモノマーの自己重縮合により長鎖分岐高分子を合成する。生成重合体の溶液物性、レオロジー物性について研究分担者と連携を図り、詳細に検討する。絡み合い点間分子量と分岐点効果について検討し、直鎖部分分子量が分子鎖絡み合いや力学特性に及ぼす影響を検討する。
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Research Products
(6 results)