2010 Fiscal Year Annual Research Report
新奇ポリマクロモノマーの形態と溶液構造に関する研究
Project/Area Number |
22550111
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 洋 京都大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90243162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長 昌史 京都大学, 大学院・工学研究科, 講師 (50332721)
吉崎 武尚 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90230705)
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Keywords | ポリマクロモノマー / 櫛型高分子 / 剛直性パラメター / セグメント間相互作用 / 星型高分子 / 希薄溶液物性 |
Research Abstract |
ポリマクロモノマーの性質は,主鎖,側鎖の化学構造によって変化する.ここでは,(a)ポリイソプレン側鎖-ポリスチレン主鎖,および(b)ポリスチレン側鎖-ポリイソプレン主鎖からなる2種のポリマクロモノマーを作成し,希薄溶液物性への影響を調べた.まず,側鎖重合度が36の(a)のポリマーについて,1,4-ジオキサンおよびシクロヘキサン中の剛直性パラメターλ^<-1>を決定した.シクロヘキサン中のλ^<-1>はセグメント間相互作用パラメターより計算した値とほぼ近くなったが,1,4-ジオキサン中の値は計算値の2倍以上となった.次に,側鎖重合度が20の(b)のポリマーについて,シクロヘキサンおよびトルエン中のλ^<-1>を決定した.両溶媒中における値は,セグメント間相互作用パラメターからの計算値に比べかなり大きくなった.これらの結果より,λ^<-1>に対する側鎖-主鎖セグメント間相互作用の影響が無視できないことが明らかになった.次に,星型構造を有するポリスチレンポリマクロモノマーの合成に取り掛かった.ポリスチレンマクロモノマーを合成し,これをアニオン開始剤を用いて重合した.末端がリビングの状態で3官能性のカップリング剤(トリブロモメチルベンゼン)を加えたが,反応効率が悪く,星型ポリマクロモノマーの合成には至らなかった.これは,ポリマクロモノマー末端においては,側鎖による立体障害が大きく,反応性が低下したためと考えられた.これより,星型ポリマクロモノマーを合成するためには,カップリング反応の前に直鎖を導入する必要があるということが示された.
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Research Products
(5 results)