2012 Fiscal Year Annual Research Report
感光性自己組織化単分子膜の高機能化と有機薄膜トランジスタ作製への応用
Project/Area Number |
22550114
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
山口 和夫 神奈川大学, 理学部, 教授 (20114902)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 高分子合成 / 超薄膜 / ナノ材料 / 表面・海面物性 |
Research Abstract |
我々が開発した光分解性の2-ニトロベンジルエステルとしてカルボキシ基を保護したシランカップリング剤1を用いると、得られる感光性の自己組織化単分子膜(SAM)は、フォトマスクを用いた紫外線照射によって露光された領域にのみ親水性のカルボキシ基を生成する。これを利用した細胞培養基板の作製を種々検討してきた。さらに、1の芳香環の4,5位にパーフルオロアルキルオキシ基を導入した2のSAMの光照射前後の疎水性と親水性の大きな差を利用することにより、有機薄膜トランジスタ(OTFT)を作製する新たな方法の可能性を見出している。本研究では、感光性シランカップリング剤に含まれる2-ニトロベンジルエステルのベンジル位の置換基および芳香環上の置換基、スペーサーのメチレン鎖長などを検討することによって、光照射に対してより高感度のシランカップリング剤の設計・合成を行い、得られる光分解性SAM をOTFT作製へ応用することを目的とした。 昨年度までの研究により、2の芳香環のパーフルオロアルキルオキシ基の代わりにメトキシ基を導入し、そのベンジル位の置換基を変化させた3を合成し、そのSAMを調製し光照射に対する感度を調べたところ、イソプロピル置換で最大となった。 そこで、本研究ではベンジル位にイソプロピル基が置換して、3,4位にパーフルオロアルコキシ基を導入したシランカップリング剤4を合成した。4のSAMは従来のものに比べ光照射に対する感度が大きく向上した。さらに、アミノ基をカルバメートとして保護した5も合成した。5のSAMの光照射に対する感度は4に比べさらに向上することが分かった。また、3の一つのメチルエーテルをペンタフルオロフェニルエーテルに置換したシランカップリング剤6の合成にも成功した。6のSAMは、塗布した有機半導体ペンタセンの移動度を向上させることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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