2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22550118
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
幸本 重男 千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90195686)
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Keywords | 液晶 / 超分子 / 水素結合 / イミダゾリウム / 両性イオン / 蛍光 |
Research Abstract |
イオン液晶の多様な形態を超分子的な手法を用いて創製することを目的として研究を行った。イオン液晶はイオン液体の性質と液晶の性質を兼ね備えたユニークな液晶であり、イオン伝導等への応用が期待されている。イオン液晶性分子を多段階の合成工程を経ることなく、少ない工程数で基本骨格となるパーツを合成しておき、これに分子間相互作用により、他のイオン性分子を超分子的に組み込み、様々なイオン液晶を効率よく創製する手法の開発を主眼としている。以下に当初実験計画に記載した研究についての成果についてまとめる。 (1)超分子スクエアー液晶によるハイブリッド化:ナノサイズの空孔を持つ2量体型超分子液晶についてその構造を2次元X線にて精査した。またゲスト分子を取り込んだ液晶の作製にも成功した。しかしながら、空孔内でのゲスト分子の電圧印加によるスイッチングには至らなかった。 (2)両性イオン液晶の創製およびリチウムイオンの取り込み:イミダゾリウム基やアンモニウム基に対アニオンとしてカルボキシレートを連結した両性イオン型塩を合成し、その液晶性を調査した。また、リチウム塩を取り込んだイオン液晶の作製も行った。 (3)両性イオン型イミダゾリウム塩を用いた水分子クラスターの生成:両性イオン型イミダゾリウム液晶に用いたメソゲン部位が効率良く水分子を挟み込むことができ、有機結晶中に水分子クラスターを形成することができた。この成果を2報の論文として報告した。 実施計画以外に、液晶性を示す両親媒性イミダゾリウム塩が溶媒の極性に応じて会合することを利用した、デュアルモード蛍光性分子を開発し、論文として報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一部成果についてはすでに論文として掲載され、その他の結果については現在、まとめている段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね実施計画が達成できてきているので、まとめの段階に来ている。計画ではイオン液晶を簡便に作製することが目的になっているが、メソゲン部位として用いているイミダゾリム部位が、液晶だけでなく、溶液中での集合や結晶での配列制御に役立つビルディングブロックであることが明らかになってきたので、これを利用した、液晶以外の集合体の形成も試みたい。
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Research Products
(28 results)