2012 Fiscal Year Annual Research Report
レゾルシンアレーン6量体カプセルを用いたフルオラス相中での不斉空孔の創出と応用
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22550125
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
清水 正一 日本大学, 生産工学部, 教授 (10139115)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 超分子化学 / 光学分割 |
Research Abstract |
我々はこれまでの研究で,フルオラス溶媒に可溶なフルオラスレゾルシンアレーン(FRA)を開発し,これがフルオラス溶媒中で6量体分子カプセルを形成することを明らかにしてきた。本研究ではカプセル内部空孔を不斉化し,その不斉を利用した新しいタイプの光学分割法などの開発を目的としている。平成22,23年度には,この分子カプセルの内部空孔を不斉にするため,FRAにキラルなビナフチル基を共有結合により導入し,このキラル補助基がカプセル内部に取り込まれていることを確認した。また,この分子カプセルが2,2’-ジメチル-1,1’-ビナフチルなどの光学分割剤として機能することを実験的に示すことができた。しかし,キラル補助基を持ったFRAの効率的な合成が実現できていないため,十分に再現性を確認するには至っていない。そこで,平成24年度は共有結合によりキラル補助基を導入するのではなく,カプセルを形成している水素結合ネットワーク中の水分子と置換する方法などで,空孔にキラル素子を固定化する新しい方法の探索を行った。具体的には,FRA同族体を合成し,まずその自己組織化特性を評価した。フルオラス鎖が短いFRAでは少量の極性溶媒の添加で分子カプセルが崩壊し始めることが分かった。この結果を踏まえ,溶液状態からのビナフチル骨格を有するゲスト分子の包接を試みた結果,その過程には大きなエネルギー障壁があり,定量的な包接は困難であることが明らかになった。一方,フッ素系ポリエーテル Galden HT230を用いてゲスト分子とFRAを直接摩砕する方法,および分子カプセルとゲスト分子が溶解した溶液から溶媒を留去して得られる固体試料を摩砕する方法で比較的再現性よくゲスト分子が包接されるを見出した。しかし,これらの方法では,定量的な包接は達成されていないので,光学分割剤として利用できるレベルには至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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