2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22550130
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
井口 眞 山口東京理科大学, 工学部, 教授 (80291821)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ずれ応力 / 剪断歪み / フォトクロミズム / ラマンスペクトル / 高圧実験 / スピロピラン / ジアリールエテン / アゾベンゼン |
Research Abstract |
フォトクロミック結晶に対するずれ応力と光照射の複合的な効果を色の観察と分光測定から調べた。 アゾベンゼン:4,4'-bis{1-[2-(N,N-Dimethylamino)]ethoxy}azobenzene (DN-azo)の結晶は金色光沢をもち、溶液はフォトクロミズムを示す。紫外光照射した固体試料に色の変化は観察されなかったが、N=N伸縮のラマンバンドの強度と線幅には変化が見られた。この結晶にずれ応力を加えると、黄色から黄緑(1.9 GPa)、さらに赤色(2.5 GPa)に変化し、応力を抜くと赤色の一部は黄緑色に戻った。この過程において、N=Nのバンド強度と線幅に光照射時と似た変化が観測され、結晶内での分子構造の変化が示唆された。 スピロピラン:メトキシベンゾスピロピラン(メトキシSP)の白色結晶は、静水圧3 GPa以上でラマンスペクトルに励起光780 nmによる蛍光が観測され、3.5 GPa以上で緑色に変わり、減圧すると元の白色に戻った。これまでに調べたスピロピラン類はいずれも応力を加えると、蛍光を発し、さらに緑色に変わった。しかし、常圧に戻す際の挙動は異なり、ニトロSPとヒドロキシSPは紫色のメロシアニンを生成し、メトキシSPとナフトSPは可逆的にSPに戻った。また、緑色に変わる圧力は、前者の2.9 GPaに比べ、後者は3.5 GPaと高いことがわかった。 ジアリールエテン:結晶は、紫外光・可視光による開環と閉環体間の異性化よるフォトクロミズムを示す。フッ素系PFCPおよびシアノ系CMTE結晶の開環体について、4 GPa以上の高圧実験を行うと、それぞれ白色から黄色および黄色から橙色への変色を示し、圧力下ではフォトクロミズムが抑制された。この結果から、これまでに見出した応力による閉から開環体への異性化とは逆の開から閉環体への異性化の可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)