2012 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族系オニウム型イオン液体の相乗的利用による色素増感太陽電池電解質の高機能化
Project/Area Number |
22550131
|
Research Institution | Wakayama National College of Technology |
Principal Investigator |
綱島 克彦 和歌山工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (90550070)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | イオン液体 / 四級オニウム塩 / 芳香族化合物 / 有機太陽電池 / 色素増感型太陽電池 / 電解質 |
Research Abstract |
イオン液体は、特殊な溶解性、不揮発性、高いイオン密度、難燃性などのユニークな物理化学特性を有するため、色素増感型太陽電池の次世代電解質として注目されている。本研究では、香族四級アンモニウム型およびホスホニウム型のイオン液体の特異性と機能性に着目し、全く新しい芳香族系イオン液体の創製およびそれを相乗効果的に用いた高機能型色素増感太陽電池電解質系の構築を試みることを目的とした。 本年度は本研究の最終年度であり、前年度までに創製された新規芳香族四級オニウム型イオン液体の化学構造をさらに改良しながら、色素増感太陽電池電解質としてのポテンシャルを検討して本研究プロジェクトの総括を試みた。まず、カチオン中に含まれる芳香環数を最適化することにより、低融点および低粘度を示すイオン液体が得られることが分かった。更なる関連型として不飽和結合導入型やプロトン型ホスホニウムカチオン系についても合成検討が及び、カチオンの選択肢の幅が大いに拡張された。アニオンについては、前年度の検討により有効性が明らかとなったFSA (N(SO2F)2-) アニオンを主軸とすることで、一連のイオン液体に高い導電特性を付与することに成功した。この新規イオン液体類にヨウ素レドックス対を加えた電解質溶液を調製し、交流インピーダンス法を用いて特性解析したところ、芳香族型ホスホニウムカチオンとヨウ素レッドクス対との相互作用に起因すると思われる導電率の特異的変化が観測された。これらの結果により、当該イオン液体が色素増感型太陽電池電解質として発展する可能性があることが見いだされた。また、本研究で用いたFSA型イオン液体による電解重合膜対極の高性能化も別途示唆されている。当該イオン液体電解質は電解液それ自体のみならず電極材料との複合化に関しても有効性を示すことが分かり、新たな新規色素増感太陽電池系を探索する端緒も得られた。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|