2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22550137
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
吉田 勝 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノテクノロジー材料製造分野企画室, 企画室長 (40344147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長沢 順一 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノシステム研究部門, 主任研究員 (60357621)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ゲル / ゲル化剤 / 電解質 / イオン液体 / レオロジー / イオン電導度 |
Research Abstract |
当該年度も、従来とは異なる骨格の新しいゲル化剤誘導体の合成と機能発現に取り組んだ。その結果、昨年度までに見出した、新たな電解質ゲル化剤である脂肪族シクロヘキサン環をモノマー中央部に有する誘導体について、新たな知見を得た。すなわち極めて良好なゲル化能が観測されることが判明していた、TFSAおよびFSAと呼ばれるフッ素系のアミドアニオンをカウンターアニオンに持つ各種イオン液体ゲルにおいては、レオロジー測定の結果、5%程度の低濃度条件であるにもかかわらず、従来例よりも1桁以上大きな貯蔵弾性率を有することが明らかとなった。したがって、作成したゲルは、成型性と自立性を持ち、また非共有結合性の相互作用から成る物理ゲルであるにもかかわらず、持ち上げることも可能な機械的強度を有することが分かった。また、分光学的な検討から、アミド部位のカルボニル部分における相互作用が、ゲル形成に大きな影響を及ぼすことが明らかとなった。加えて、高せん断と低せん断を繰り返す破壊実験により、カウンターアニオンがFSAの時のみ、自己修復的な貯蔵弾性率の高速復帰挙動が観測され、相対的にサイズの大きいTFSAについては、全く挙動が異なり復帰が見られないことが分かった。このせん断破壊後の自己修復的な現象は、これまで主に水のゲルで知られていた現象で、イオン液体ゲルとしては世界で初めて観測された例である。この結果を受けて、研究成果をまとめて、極めて低濃度でイオン液体の作成が可能であり、またイオン液体ゲルとして初めての自己修復性の観察に関して、査読付き国際論文誌に論文発表を行った。また、研究所のHP上での研究紹介や学会発表の成果発信にも精力的に取り組んだ。あわせて国際特許出願も行った。また、昨年度モデル化合物で見出した光応答性CNT分散剤についても、反応機構などの検討を進め、一部は学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)