2010 Fiscal Year Annual Research Report
有機・無機ハイブリッドラテックスの作製と薄膜材料への応用
Project/Area Number |
22550138
|
Research Institution | Osaka Municipal Technical Research Institute |
Principal Investigator |
玉井 聡行 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, 研究員 (50416335)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 充 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, 研究員 (70416337)
|
Keywords | ナノ材料 / 表面・界面物性 / 高分子合成 / エマルション重合 / 高分子微粒子 / 有機・無機ハイブリッド |
Research Abstract |
水を分散媒とするエマルション重合により、数10nm径の無機酸化物ナノ粒子を内包する数100nm径のポリマー微粒子、すなわち有機・無機ハイブリッドラテックス粒子を作製し、それらからナノ粒子がポリマー中に均一分散したハイブリッド薄膜を形成させることを検討した。有機-無機成分間の界面制御により、ナノ粒子の分散性を高め、薄膜に光学機能(ZrO_2由来の高屈折率)を付与することを目指した。ラテックス粒子から薄膜が形成される過程については研究がなされているが、ナノ粒子がそれに及ぼす影響については未知である。また、極性化合物である金属酸化物を、疎水的なポリマー中へ均一分散させるため、表面疎水化された金属酸化物ナノ粒子を用い、さらにポリマー成分にも、金属酸化物親和性基であるリン酸エステル基を導入することで有機-無機成分間の相容性を向上させることを検討した。ミニエマルション重合により合成した、アクリルポリマー/ZrO_2ハイブリッドラテックスを室温で乾燥させることで、ハイブリッド薄膜を得た。P[BMA-co-PGMP](1:0.2)/ZrO_2薄膜(BMA:ブチルメタクリレート、PGMP:ポリプロピレングリコールメタクリレートホスフェート)は透明であり、ZrO_2含有量(0-30 wt%)の増加に伴い、屈折率は上昇した。PGMPのモル比が0.1および0.05と比較的少ない、あるいは0.3と多い薄膜は、透明性が低く、またそれらの屈折率は、比較的低い、あるいは測定不能であった。以上のことから、ハイブリッドラテックスから、ZrO_2粒子がポリマーマトリクス内に均一分散した薄膜が得られ、アクリルポリマー/リン酸基/ZrO_2の比が適正範囲にある場合、分散したZrO_2粒子は薄膜の屈折率を上昇させることが分かった。また、数種の金属ナノ粒子分散ハイブリッド薄膜において、その触媒作用についての研究を行った。
|
Research Products
(14 results)