2011 Fiscal Year Annual Research Report
有機・無機ハイブリッドラテックスの作製と薄膜材料への応用
Project/Area Number |
22550138
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Research Institution | Osaka Municipal Technical Research Institute |
Principal Investigator |
玉井 聡行 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, 研究員 (50416335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 充 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, 研究員 (70416337)
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Keywords | ナノ材料 / 表面・界面物性 / 高分子合成 / エマルション重合 / 高分子微粒子 / 有機・無機ハイブリッド |
Research Abstract |
本課題では、水を分散媒とするエマルション重合により、数10nm径の無機酸化物ナノ粒子あるいは金属ナノ粒子を内包する数100nm径のポリマー微粒子、すなわち有機・無機ハイブリッドラテックス粒子を作製し、それらからナノ粒子がポリマー中に均一分散したハイブリッド薄膜を形成させること、そして薄膜にナノ粒子由来の特性を付与することを目的にしている。極性化合物である金属酸化物(ZrO_2)を疎水的なアクリルポリマー中へ均一分散させ、それから得られる薄膜にZrO_2由来の高屈折率を付与するためには、有機-無機成分間の界面制御により両成分の相容性を高めることが重要であると考えている。22年度には、"金属酸化物ナノ粒子の表面疎水化"、および"金属酸化物親和性基のポリマー成分への導入"が有効であることを見出している。23年度は、さらに様々な金属酸化物ナノ粒子およびその親和性基について詳細に検討を行ったところ、ポリプロピレングリコールメタクリレートホスフェートを共重合成分としてもつアクリルポリマー中に、メタクリル基修飾ZrO_2ナノ粒子が最も良好に分散することが分かった。"高極性のZrO_2表面を疎水化"、および"低極性のアクリルポリマー成分へ金属酸化物親和性基を導入"に加えて、両親媒性基であるポリプロピレングリコール基を用いることで、ZrO_2/アクリルポリマー成分間の相容性を高めることが重要であると考えた。一方で、エマルション重合の過程において、金属ナノ粒子の生成とモノマーの重合を同時に進行させることによる、金属ナノ粒子内包ポリマー微粒子の合成について検討した。そのため、より単純な反応系として、モノマー/金属イオンの混合物中でラジカルを発生させることで、金属ナノ粒子分散ハイブリッド薄膜を生成させ、その金属ナノ粒子の触媒作用(めっき反応の開始)についての研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
有機・無機ハイブリッドラテックス粒子の作製、それからのハイブリッド薄膜作製、そしてそれに必要な有機一無機成分間の界面制御について、基本的な手法を確立し、かつその現象を説明できる知見を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
ハイブリッド薄膜が有する、ナノ粒子由来の特性である、屈折率等の光学特性、あるいは触媒活性等をさらに向上させる。その推進のため、ナノ粒子の環境など、ハイブリッドのナノスケールでの構造を明らかにし、それを制御することを検討する。ナノスケール構造の解明には、TEM,SEM,FE-SEM,AFMのいずれかを用いる通常の方法では困難であり、これらの全てを用い、またその結果を総合的に解析することを検討する必要がある。
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Research Products
(16 results)