2011 Fiscal Year Annual Research Report
揮発性有機化合物の低濃度発生源におけるモニタリング方法と除去特性および評価
Project/Area Number |
22550142
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
川本 克也 独立行政法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 副センター長 (50257325)
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Keywords | 揮発性有機化合物(VOC) / 総括測定 / 濃縮 / 芳香族化合物 / 光触媒分解 / 活性炭吸着 / アルデヒド化合物 |
Research Abstract |
総括測定方法の開発と光触媒分解技術の処理特性評価に関し、研究を行った。 総括測定方法に関しては、VOC成分が低濃度(各化合物概ね数~数十μg/m^3)で混合する空気試料に関する総括測定を可能とする濃縮および測定方法を開発した。方法の基本的な流れは、吸着剤に対象物質を捕集し、濃縮された加熱脱離ガスを水素炎イオン化検出器で測定し、トルエン換算で濃度表示を行うものである。BTX類(ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、エチルベンゼン)を対象として模擬ガスを用いた実験により、吸着剤や採取条件等の最適化により、試料空気採取量最大200Lで定量下限0.3μg/m^3まで測定可能であり、また非芳香族化合物が共存する影響を排除するための測定方法として確立した。 次に、初年度の研究において廃プラスチック類中間処理施設でのVOC排出濃度実態、光触媒分解および活性炭吸着からなる排気処理プロセス工程でのVOCの挙動把握から、光触媒反応においてアルデヒド化合物濃度の増加を観測したことを踏まえて、光触媒の流通型模擬試験装置を用いて反応特性を評価した。メタノールおよびエタノールからそれぞれホルムアルデヒド、アセトアルデヒドが生成する現象を再現した。定量的には、1,500~2,500μg/m^3のアルコール含有ガスを45℃、ガス空間速度SV:500~650h^<-1>で通気することにより、供給濃度に対し0.3~1%相当のアルデヒド化合物が生成することを明らかにした。さらに、空間速度や湿度条件の影響に関し、それらが増すと生成濃度が増加することを把握した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実態調査は初年度に終え、その後、総括的な測定方法についてほぼ研究開発を終え、論文作成中であること、光触媒分解の特性について、研究が進捗していることなどから自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
光触媒分解過程での中間生成物生成特性を明確にすること、活性炭吸着処理の限界を明らかにすること、リスク評価手法へのフィードバックを図ること。
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