2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22550144
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Research Institution | Osaka Municipal Technical Research Institute |
Principal Investigator |
水野 卓巳 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, 研究員 (10416290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三原 正稔 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, 研究員 (70416296)
中井 猛夫 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, 研究員 (60443545)
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Keywords | グリセリン / ポリカーボネート / カルボニル化反応 / 一酸化炭素 / 硫黄 / 酸化反応 / バイオディーゼル燃料 / グリセリンカーボネート |
Research Abstract |
グリセリンは、脂肪酸や石けんの製造工程で副生し、さらにエコ燃料使用拡大の中で、天然油脂を原料とするバイオディーゼル燃料(BDF)の生産の発展に伴って、新しい発生源が加わっている。したがって、副生するグリセリンが余り気味となり、産業廃棄物化することが懸念される事態となっている。 本年度の研究においては、グリセリンの一酸化炭素と硫黄を利用したカルボニル化反応と酸化剤による酸化反応を組み合わせて、容易にグリセリンを環状カーボネート(グリセロールカーボネート)に変換する新しい合成反応を開発した。 研究代表者は、1989年にTHFを溶媒に用いて、一酸化炭素と硫黄を用いたアルコール類のカルボニル化と塩化銅(II)による酸化反応を組み合わせることによって、加圧条件下、カーボネート誘導体が容易に得られる初期的な報告を行った。しかし、本法においては、高圧条件が必要であるなどの改善すべき点が残っていた。 本年度の研究において、一酸化炭素、硫黄を用いるグリセリンのカルボニル化反応において、DMFを溶媒とし、臭化銅(II)を酸化剤とする事によって、比較的低圧条件でグリセロールカーボネートが高収率で得られることを見出した。さらに、グリコール類のカルボニル化反応にも、応用が可能であった。 この新規カルボニル化反応によって、グリセリンを容易にグリセロールカーボネートと変換し、これを原料としたポリカーボネート製造に展開できる。すなわち、エチレンカーボネートを中間原料とする旭化成ポリカーボネート製造法に応用すれば、副生グリセリンを原料として利用したポリカーボネート合成の可能性が拓かれた。
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Research Products
(10 results)