2011 Fiscal Year Annual Research Report
ブルー銅蛋白質の電子状態を制御する弱い相互作用に関する研究
Project/Area Number |
22550145
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
高妻 孝光 茨城大学, 理工学研究科, 教授 (50215183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海野 昌喜 茨城大学, フロンティア応用原子科学研究センター, 准教授 (10359549)
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Keywords | ブルー銅タンパク質 / X線結晶構造解析 / 弱い相互作用 |
Research Abstract |
蛋白質やDNAのような生体分子における、弱い相互作用の理解は、蛋白質の構造構築原理や機能、ならびにダイナミクスを解明する上で重要である。特に、酸化還元に関わる電子伝達蛋白質や酵素では、弱い相互作用によって、電子状態が変化し、反応の制御が行われている。近年、フェニルアラニン同士のスタッキング相互作用を導入することによりα-ヘリックス構造が安定化するとの報告や、カチオン-π相互作用についての報告が増えつつあり、蛋白質における弱い相互作用の重要性が更に認識されつつある。平成23年度においては、(1)リモートサイトにおける弱い相互作用の効果、(2)特異的に弱い相互作用を導入したシュウドアズリンミュータントのX線結晶構造解析、(3)可視共鳴ラマンスペクトル、電子スピン共鳴スペクトルによる銅蛋白質の活性中心構造の検討、紫外共鳴ラマンスペクトルによる弱い相互作用の検出と機能解析、(5)K吸収端およびL吸収端X線吸収スペクトルによる弱い相互作用の効果の検討を行なう事を計画したが、3月11日に発生した東日本大震災のために、ラマン分光装置が被災したため、計画を変更し、X線結晶構造解析を中心に研究を進めたところ、Met16His、Met16Pheシュウドアズリンの高分解能X線結晶構造解析に成功し、Met16位での弱い相互作用の構造と機能の解明が進展している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シュウドアズリンのMet16位変異体のX線結晶構造解析が、大きく進展し、東日本大震災において、被災下にも関わらず、成果を上げることができた
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Strategy for Future Research Activity |
現在、Met16位での弱い相互作用について更に詳細な、構造と機能の情報を得るために、数週の変異体のX線血漿構造解析、NMRによる溶液構造解析を行なう。また、X線吸収スペクトルの計測を行ない、電子状態との相関についての検討を行なう。さらに、亜硝酸還元酵素との電子移動反応についても、電気化学的に検討を行い、弱い相互作用の機能について検討を行う予定である。
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