2012 Fiscal Year Annual Research Report
ブルー銅蛋白質の電子状態を制御する弱い相互作用に関する研究
Project/Area Number |
22550145
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
高妻 孝光 茨城大学, 理工学研究科, 教授 (50215183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海野 昌喜 茨城大学, フロンティア応用原子科学研究センター, 准教授 (10359549)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ブルー銅蛋白質 / シュウドアズリン / X線結晶構造解析 / X線吸収スペクトル |
Research Abstract |
蛋白質において、アミノ酸側鎖間に働く弱い相互作用は、蛋白質機能の発現に重要な役割を果たしていると考えられているが、水素結合以外の弱い相互作用を検出して、その構造と機能、ダイナミクスとの相関を系統的に検討した例は、研究代表者である高妻らによるもの以外は、ほとんどない。本研究では、弱い相互作用の検出が比較的容易なブルー銅蛋白質を主として用い、蛋白質における弱い相互作用の伝達様式、加成性等を、各種分光法、X線結晶構造解析によって実験的に、詳細に調べ、弱い相互作用と蛋白質構造・機能・ダイナミクスとの相関を明らかにする。 蛋白質における弱い相互作用の役割を調べるために、シュウドアズリンの活性中心近傍に相互作用可能な側鎖をもつアミノ酸の導入を行なった蛋白質、および野生型シュウドアズリンのX線結晶構造解析を高分解能で行なったところ、野生型シュウドアズリンでは、活性中心の銅原子がAxialとRhombicの2つの位置をとることが見いだされ、これまでEPRで評価していたそれぞれのコンフォーマーの割合と一致することが判明した。また、Met16His、Met16Phe、Met16Ile、His6Val変異体のX線結晶構造解析に成功し、Met16X変異体においては、置換したアミノ酸の側鎖と銅原子に配位しているHis81のイミダゾール環との間の相互作用が生じており、相互作用の強さによって、構造の変化の度合いが影響を受け、分光学的性質が著しく変化することが明らかとなった。 シュウドアズリンのCuのK吸収端でのX線吸収スペクトルの計測を行なったところ、Met16Phe変異体のK吸収端のエネルギーは、野生型に比べて低エネルギー側にシフトしていることが見いだされ、活性中心の電子密度が高くなっていることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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