2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22550150
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 俊樹 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (70171775)
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Keywords | デノボデザイン / コイルドコイル構造 / 金属イオン結合タンパク質 / 金属イオン配位構造 |
Research Abstract |
スルオキシドジスムターゼを目指したタンパク質設計は、以前に報告した銅イオンを配位した3本鎖ペプチド(IZ-3adH)のアミノ酸配列をもとに行い、3つのα-ヘリックスを短いリンカーでつないだタンパク質(H1)を作成した。H1はCDスペクトル解析からα-ヘリックス構造を取っていた。銅イオンの添加でもCDスペクトルには変化はなかったが、尿素に対する安定性が向上したことから、H1に銅イオンが配位していることが示唆された。等温滴定型カロリメータ(ITC)で銅イオンの結合を調べたところ、1対1で結合していた。EPR測定で銅イナンの配位構造を調べると、銅イオンは平面四配位構造であることがわかった。H1には6つのHis残基があるので、どのHis残基が配位に関与しているかを調べるために、結合に関与していると思われる4つのHis残基だけにしたタンパク質2種類を作成した。これらのタンパク質も銅イオンを配位した。EPRで配位構造を調べるとAパラレル値が13.6mTと12.6mTとなり、銅イオンの配位がかなり歪んでいることがわかった。興味あることに、この値は天然のSODの値(13mT)に近い値であり、SOD中の銅イオンと類似の配位構造を持った銅イオンが作成できた。 パープル銅タンパク質には2つ銅イオンが2つのCysとHis残基と結合し、Cu2S2ダイアモンドクラスクーを形成している。この構造は、ブルー銅タンパク質に存存するCys、His、Hisの三つの残基を2セット組み合わせたものに類似する。そこで以前に作成した設計ブルー銅タンパク質を基本骨格として、先ず4本鎖のヘリックスバンドル構造中に、どのように銅イオンが配位できるかを調べた。設計ブルー銅タンパク質にDFT計算を行いモデル作成した。その結果、銅イオンの入る位置、構造を確認し、また銅イオンの回りに空孔が存在していることがわかった。
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