2011 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子制御ネットワークに着目した超好熱菌からの有用遺伝子探索
Project/Area Number |
22550151
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金井 保 京都大学, 工学研究科, 講師 (10346083)
|
Keywords | 超好熱菌 / アーキア / EMSA / 遺伝子制御 / 有用遺伝子 |
Research Abstract |
既存の糖質関連酵素との相同性をもたないT.kodakarensisの機能未知タンパク質であるTK1136の機能同定を目指した。大腸菌で組換えタンパク質を調製し、精製後、酵素活性の検出を試みた。基質としてマルトオリゴ糖(G1-G7),マルトデキストリン、アミロース、可溶性デンプンなどを用い、高温(70-80℃)でインキュベーション後に、α多糖加水分解活性を確認したが、現在までに有意な活性の検出には至っていない。 作成したT.kodakarensisの転写制御因子ライブラリー(全87種類)を用いて、RubisCO遺伝子(TK2190)のプロモーター領域と結合する転写制御因子の候補をElectrophoretic mobility shift assay(EMSA)にて選択した。その結果、複数の候補遺伝子が同定された。 T.kodakarensisの転写制御因子ライブラリーを用いて、高温発現型chaperonin遺伝子(TK2303)のプロモーター領域を用いたPhr非依存性の熱ショック応答転写制御に関与する転写制御因子の同定を目指した。しかしながら、これまでに有力な候補は見出されていない。このことはPhr非依存性の熱ショック応答転写制御機構が、特定の転写制御因子を介さないシステムである可能性を示唆している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型耐熱性α多糖加水分解酵素の候補であるTK1136タンパク質の調製が完了した。ペントース代謝関連regulonの転写制御因子の候補が複数同定された。Phr非依存性の熱ショック応答転写制御に関しては、特定の転写制御因子に支配されない可能性が示唆された。
|
Strategy for Future Research Activity |
新型耐熱性α多糖加水分解酵素の候補であるTK1136タンパク質の活性同定を継続する。この際、加水分解活性のみならず、糖転移活性の有無についても確認を行う。また様々なPNP糖基質を用いた呈色反応による活性測定系を構築し、活性検出を容易する。これにより、1つの基質に対してより多くの反応条件(温度、pH、塩濃度など)で活性測定を行う。
|
Research Products
(6 results)