2011 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内デリバリー制御可能な多機能siRNAの創製と遺伝子サイレンシング
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22550159
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
藤井 政幸 近畿大学, 産業理工学部, 教授 (60199297)
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Keywords | siRNA / マルチコンジュゲート / 細胞質局在化 / 遺伝子サイレンシング / ペプチド遺伝子導入剤 / ヌクレアーゼ耐性 |
Research Abstract |
化学的アプローチによりマルチコンジュゲートsiRNA分子を構築し,遺伝子医薬あるいは遺伝子機能解析ツールとして実用化を目指す。具体的には,siRNAのセンス鎖を核外輸送シグナル(NES)ペプチドとカチオン性ペプチドで同時に修飾し,以下2つの機能を付与することを目指した。 1.化学修飾siRNAの合成と細胞内安定性の増強 申請者等は新規ヌクレオシドをダングリングエンドに組み込むと二重鎖DNA/RNAが強く安定化されることをこれまでの研究で明らかにしている。今回、siRNAの各部位に化学修飾ヌクレオシドを組み込み、その効果をヒト白血病細胞に発現するbcr/abl遺伝子mRNAを標的としたサイレンシング効果により評価した。その結果、センス鎖10,11の位置に化学修飾ヌクレオシドを組みことにより細胞内安定性が増強されることを見出した。 2.化学修飾siRNAとペプチド導入剤と組み合わせた遺伝子サイレンシング法の開発 新規化学修飾ヌクレオシドを組み入れたsiRNAとペプチド導入剤と組み合わせることによりヒト白血病細胞に発現するbcr/abl遺伝子mRNAを標的としたサイレンシング効果を評価した。その結果、新規両親媒性ペプチド導入剤を用いることにより、細胞毒性の低減、細胞内ヌクレアーゼ耐性の増強に成功し、サイレンシング効果も向上することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
化学修飾siRNAと新規両親媒性ペプチド導入剤を組み合わせることにより、細胞毒性の低減、細胞内ヌクレアーゼ耐性の増強、サイレンシング効果の向上において、予想以上の効果が得られた。従来、化学修飾に敏感なsiRNAの機能向上のための方策として新規両親媒性ベプチド導入剤との組み合わせが非常に有効で、さらなる改善が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
より高い機能を持ったsiRNAを構築するために(1)化学修飾siRNAに核外輸送シグナルペプチド(NES)をコンジュゲートする。(2)(1)を新規両親媒性ペプチド導入剤と組み合わせる。(3)新規両親媒性ペプチドを化学修飾により改良する。ことを中心に検討し、(1)効率的に細胞内に取り込まれ、(2)細胞内で安定で、(3)off-target効果を抑制し、(4)細胞質内でより特異的に標的mRNAに結合して、高い効率で遺伝子をサイレンシングするsiRNA分子を構築することを目指す。特に、新規両親媒性ペプチド導入剤の化学修飾は様々な方法が考えられるので、多くの問題の解決に有効な手段となると期待される。
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Research Products
(9 results)