2011 Fiscal Year Annual Research Report
縮環系有機半導体を基盤とする有機電子デバイス材料の開拓
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22550165
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
功刀 義人 東海大学, 工学部, 教授 (90243518)
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Keywords | 有機半導体 / 有機デバイス / 半導体物性 |
Research Abstract |
本年度も昨年度に引き続き、材料開発特に基礎骨格の創出を重点的に行った。 (1)新規有機トランジスタ材料の開発 有機トランジスタ材料は一般に低分子系材料と高分子系材料に分類され、さらにプロセスの分類で、塗布・印刷系材料、蒸着系材料、単結晶系材料に分類される。材料開発で最も重要なことは基本骨格の創出であり、最も時間を要し難しいプロセスであるが、優秀な基本骨格を見出すことにより、低分子材料、高分子系材料、塗布・印刷系材料、蒸着系材料、単結晶系材料など様々な新規材料への展開が可能となる。本年度は昨年度創出した基本骨格の各種修飾を行うことにより、基本骨格のポテンシャルの検証を行うと共に、特に単結晶デバイス用の基本骨格を数種類創出することに成功した。 (2)デバイス化・評価 有機半導体の性能評価は極めて複雑で、薄膜トランジスタを作製した場合、その膜を構成している有機分子の電子状態と共に、膜のモロフォロジーが重要なファクターとなってくる。本年度はGaussianO9を使用して、各化合物の分子軌道法計算を行いエネルギーレベル精査を行うと共に、昨年に引き続き、薄膜でのX線回折、電気化学計測、AFM観察を行い、分子構造、膜の作製条件の変化に伴い、膜の電子状態、結晶構造、微結晶の会合状態、表面状態などがどのように変化するかを観測した。また、高分子絶縁膜を使用した無機-有機ハイブリッド型の2層絶縁膜の検討も行った。 次年度は、新たな単分子系表面処理剤の開発に着手する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題前半で目標としている、基本骨格の創出に複数種類成功している。また、基本骨格の修飾により、広範囲の有機トランジスタ材料の創出に成功しており、トランジスタ素子に応用し高いトランジスタ応答を得ることにも成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題では高性能のトランジスタ材料の創出を達成するために、固体状態での分子間の電子雲オーバーラップ多い縮環系有機半導体の開発を行う。具体的には、含ヘテロ縮環系π共役化合物やジグザグ構造に縮環させたπ共役化合物などの開発、特に基本骨格の創出に力を入れて開発を推進する。有力なき基本骨格を創出することにより、塗布・印刷系材料、蒸着系材料、単結晶系材料など様々な展開が期待できる。
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Research Products
(11 results)