2012 Fiscal Year Annual Research Report
光誘起電界による分子配向変化を原理とするホログラム記録材料
Project/Area Number |
22550166
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
佐々木 健夫 東京理科大学, 理学部, 教授 (80261501)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | フォトリフラクティブ効果 / ホログラム / 光記録 / 高分子 |
Research Abstract |
ホログラム像の記録保持が可能な新しいフォトリフラクティブ材料の開発を行った。光導電性色素と電荷補足剤, D-π-A色素(電子供与基-π電子系-電子吸引基という構造の,双極子モーメントの大きな色素)を含む透明材料中で光を干渉させると,干渉縞の明部と暗部との間に電界が発生する。この電界によってD-π-A色素の分子配向変化が生じて材料の屈折率が変化する現象がフォトリフラクティブ効果であるが,その屈折率変化は光照射を止めると消失してしまう。本研究では形状を工夫したD-π-A色素を用いることで,この分子配向変化を固定化し,フォトリフラクティブ効果によるホログラムを記録する新しい材料を開発した。フォトクロミック色素や光化学反応を用いる一般のホログラム材料と異なり,ほとんど吸収を持たない透明材料にすることができるため,材料内部に3次元情報を書き込むことが可能である。今年度の研究では特に、これまでとは構造の異なる D-π-A色素を有する高分子を合成し、そのホログラム記録を検討した。その結果、わずかな違いでもホログラム記録特性が失われることが明らかとなった。前年度に合成した化合物は、 高分子側鎖にD-π-A色素としてニトロベンジリデンアニリンを有するものであった。この材料中でホログラムを形成させると、象がそのまま固定化される。しかし、 D-π-A色素をニトロスチルベンにすると、ホログラムの記録は行われない。両者で分子形状はほぼ同じであるので、ホログラム記録が分子形状に基づくものではない可能性もある。また、ニトロベンジリデンアニリン骨格を有するものでも、置換基の位置によっては記録特性が現れない。これは、この材料系におけるホログラム記録がフォトクロミズムに基づく現象ではないことを示している。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(7 results)