2010 Fiscal Year Annual Research Report
リチウムイオン電池のためのコンポジット正極材の開発とそれらの電池特性解明
Project/Area Number |
22550169
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
小澤 清 独立行政法人物質・材料研究機構, 光触媒材料センター, 主幹研究員 (90343855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂筑 高士 独立行政法人物質・材料研究機構, 超伝導材料センター, 主幹研究員 (20354293)
藤井 宏樹 独立行政法人物質・材料研究機構, 超伝導材料センター, 主幹研究員 (80354306)
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Keywords | リチウムイオン電池 / コンポジット正極材 |
Research Abstract |
マンガンベース層状化合物、Li_<1.95>Mn_<0.9>Co_<0.15>O_3を新規に合成し、それらについて、粉末X線回折、中性子回折測定による構造解析を行い、リチウム二次電池正極材としての電池特性を調べた。その結果、本化合物は、単斜晶系で、空間群C2/mの構造をもつ新規の化合物であり、従来のマンガンベース化合物には見られない特異な充放電特性、すなわち、初期サイクルにおける急激な容量の増加とサイクル特性の向上、を示した。例えば、充放電電位2.0-4.8V、電流密度20mAg^<-1>の充放電条件下では、初期の10サイクルで放電容量は46.3から192.1mAg^<-1>まで上昇し、さらに60サイクルでも170.1mAg^<-1>という高い充放電容量を保持していた。 このような電池特性発現は、化合物中の組成に大きく依存し、マンガンとコバルトの組成比が0.9:0.15付近でしか観察されないものである。また、本特性は、充放電に伴い構造が変化することによるものと考えられる。一方、,本化合物は、安全性、コストの面で、従来のLiCoO_2やLiNiO_2といったものと比べて有利であり、実用的な利用が期待できる。 これらの結果は、特許出願を行った後、国際会議において発表を行った。今後、より優れた特性を発現する組成比の探索を行うとともに、V_2O_5あるいはLiV_3O_8などとのコンポジット化正極材を合成することによって、サイクル特性により優れた正極材の開発を行う。
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Research Products
(5 results)