2012 Fiscal Year Annual Research Report
金沈着現像法による金ナノ粒子形成過程でのアスコルビン酸添加効果の解明
Project/Area Number |
22550177
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
久下 謙一 千葉大学, 融合科学研究科(研究院), 教授 (10125924)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ナノ材料 / 金微粒子 / 銀塩写真感光材料 / アスコルビン酸 / 放射線飛跡検出 / 画像保存 / 金沈着現像 / エネルギー損失 |
Research Abstract |
銀塩写真の感光性を利用した金沈着現像法における還元剤添加での金微粒子形成過程を探った。2012年度は、前年に続き温度依存性を中心に金微粒子の形成速度を調べ、それより反応機構の解析を進めた。アスコルビン酸添加による還元反応では活性化エネルギーが低下するが、同時に速度増大により反応速度が反応律速から、反応種の感光材料膜中への拡散律速へ移行することが示された(日本写真学会年次大会、千葉、2012/5/29)。 一方、このシステムでは露光部にのみ金微粒子が形成されるので、これまでも金沈着現像法として金膜写真などの画像形成プロセスに応用してきた。2012年度もこの方法で調製した金微粒子の応用に向けての展開を進めた。金沈着現像法では画像素子サイズを小さく抑えられるため高解像度が得られる。金膜写真によるマイクロ記録を試み、マイクロフィルムと同等の記録性能を有することが確かめられた(日本写真学会誌、75, 416 (2012))。同様に放射線飛跡検出に適用するとより精細な飛跡像が得られる。放射線のエネルギーロス量に応じた潜像核形成を詳細に測れるため、新たに潜像核個数線密度を求めるという、ダイナミックレンジが広く、精度の高いエネルギー損失測定法を開発した(J.Soc.Photogr.Imag.Jpn., 75, 334 (2012)、2012年度日本写真学会論文賞受賞)。またこの方法では写真感度が低下するという欠点があるが、低温赤色光後露光法という補力方法を開発して、感度低下を大きく回復することができた(日本写真学会誌、75, 408 (2012))。 このように金微粒子形成過程の解明で得られた知見を、放射線飛跡検出や超長期画像保存などの分野での画像形成プロセスに適用して、金沈着現像法の特長を活かし,欠点を改良することができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] A new method to correct deformations in emulsion using a precise photomask2013
Author(s)
M.Kimura, H.Ishida, H.Shibuya, S.Ogawa, T.Matsuo, C.Fukushima, G.Takahashi, K.Kuge, Y.Sato, I.Tezuka, S.Mikado
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Journal Title
Nuclear Instruments & Methods in Physical Research, A
Volume: 711巻
Pages: 1-7
DOI
Peer Reviewed
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