2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22550182
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
矢澤 哲夫 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (50347522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大幸 裕介 兵庫県立大学, 工学研究科, 助教 (70514404)
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Keywords | ガラス / 分相 |
Research Abstract |
(1)分相構造および分相ダイナミクス 熱履歴(ガラス融液の冷却速度、分相処理温度)や組成の異なるガラスを系統的に作製して、ホウ素の配位数について軟X線スペクトルと第一原理計算であるDV-Xαを用いて解析を行った。その結果、軟X線スペクトルにおける199eV付近のピークは4配位ホウ素、203eV付近のピークは3配位ホウ素であることが明かとなった。また、xNa_2O-(1-x)B_2O_3(x=0-03)ガラスの軟X線スペクトルよりNa_2Oが増加すると4配位ホウ素の割合は増加し、分相後の当該ガラスにおける4配位ホウ素も増加することも分かった。 (2)分相構造の特徴を生かしたガラスの高機能化 (1)発光特性 歪みを有する蛍光結晶は、希土類イオンのf-f遷移の縮退が解けることで発光の輝度が著しく増大する。また歪みや配向は分相構造のサイズに大きく依存すると考えられる。分相構造中にYBO_3:Eu3^+赤色発光ナノ結晶を析出させる際に、ガラス転移温度よりやや高い温度で、試料の一端に加重をかけることによって延伸し結晶に歪みを与えることを試みた。加重をかけて得た試料において、蛍光強度の増加が観測された。当該ガラスについて得られた蛍光スペクトルの590nm付近の強度(0成分)と610nm付近の強度(R成分)を解析し、結晶の歪みと蛍光強度の関係を解明することを試みている。 (2)イオン伝導性 R_2O-P_2O_5-SiO_2-Al_2O_3系ガラスについてのプロトン伝導性について検討を行った。その結果、Al_2O_3の添加は、著しく耐水性を向上することが明らかとなった。また、アルカリ金属酸化物成分(R_20)において、Na_2O-K_2Oのように複数の成分にした場合、顕著にプロトン伝導の輸率が増大した。また、当該ガラス電解質による500℃における発電特性は、0.4mA/cm^2の電流密度で0.2mW/cm^2であった。
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