2010 Fiscal Year Annual Research Report
非コラーゲンタンパク質構成アミノ酸含有カルシウム錯体によるアパタイト合成
Project/Area Number |
22550183
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
佐藤 光史 工学院大学, 工学部, 教授 (10154105)
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Keywords | 無機工業化学 / 再生医学 / 生体分子 / 生体材料 / ナノバイオ |
Research Abstract |
温和な条件下でのアパタイト(HA)合成を達成するために,Ca-ida錯体を合成し,水中でリン酸/アンモニア水と反応させてリン酸カルシウム化合物を得た。得られた化合物は,結晶子サイズが13~16nmの低結晶性炭酸含有HAであった。熱的特性や元素分析から,これら化合物には若干の配位子が含まれていることを確認した。いずれの化合物もPBS中での溶解度は約0.2g/100mLで,一般的なHAよりも溶解することを確認した。これらの特徴をもつ化合物について,PLGAとのコンポジット化を行った。作成したコンポジット中のHA含有率や内部形態を調べた。370Cの恒温槽内で,リン酸緩衝液(PBS)中でコンポジットの分解挙動を,ハンクス疑似体液中で骨様アパタイトの生成挙動を検討した。コンポジットの分解挙動は,以前に作成した低結晶性CDHAを導入したコンポジットよりも吸水率は高いが,PLGA単独体よりも分解速度の抑制が認められた。一方,ハンクス溶液中での骨様HAの生成速度は継続的に検討中であるが,コンポジット表面に析出した結晶は,浸漬初期段階からコンポジット表面を覆いつくしており,In vivoでの試験に期待がもてるものであった。また,Ca-Asp錯体からHAの合成を試みた。得られたHAは結晶子サイズが13nmの炭酸含有HAであった。Ca錯体の配位子による影響や,結晶性の違いによる物性の違いを継続的に検討する。
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Research Products
(4 results)