2012 Fiscal Year Annual Research Report
錯体水素化物のリチウムイオン伝導圧力依存と構造の相関による伝導パス形成因子の解明
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22550185
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山脇 浩 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測フロンティア研究部門, 主任研究員 (10358294)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | イオン伝導体 / 高圧力 / 相転移 / 粉末X線回折 / 温度圧力相図 / ラマン分光 |
Research Abstract |
水素貯蔵材料として注目されると共に、高いLiイオン伝導性を示すLiBH4をはじめとするLi系錯体水素化物に関して、温度・圧力により出現する様々な結晶相に対して各相のイオン伝導度を調べ、振動分光によるイオンの振動状態、粉末X線回折による構造変化などを明らかにし、イオン伝導度と構造との相関関係を解明することを目的とした。 今年度は、Li系錯体水素化物の中でも高いリチウムイオン伝導を示すことが知られているLiBH4-LiNH2複合体の組成比1:3の錯体と1:1の錯体についての圧力-温度相図を調べた。1:3錯体[Li4(BH4)(NH2)3]は常圧でcubic相(I相)であるが室温17GPa以上でラマンスペクトルやX線回折パターンに変化が見られ、高圧II相へと転移した。常圧近くまで減圧すると相分離して、一部は元のcubic相であった。このことから、可逆的な転移が起きている。I相からII相への相転移圧力は温度と共に低圧側に下がってきて、500 Kで7 GPa付近となり、相境界は負の傾きをもつことが示唆された。II相の構造については未定である。高温高圧下でのインピーダンス測定も試みたが、I―II相転移に伴う明瞭な伝導度変化は無かった。一方、1:1錯体[Li2(BH4)(NH2)]については400K, 3.3GPaで新たな高温高圧相(HPHT1相)が出現し、さらに400 Kで4.8 GPaまで加圧すると別な相(HPHT2相)が出現した。 粉末X線回折およびDFT計算より、これらの結晶構造は、HPHT1相では斜方晶Pbam、HPHT2相では斜方晶Immaと推定される。 また、LiBH4が空気中の水分と室温でもすばやく反応して水和物を形成することを見出し、 粉末X線回折およびDFT計算により、その構造を求め、二水素結合が結晶構造の安定化に寄与していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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