2012 Fiscal Year Annual Research Report
多孔性無機陰イオン交換体の細孔制御及び過塩素酸イオンの選択的捕捉技術に関する研究
Project/Area Number |
22550186
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
槇田 洋二 独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 主任研究員 (80357988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苑田 晃成 独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 健康リスク削減技術研究グループ長 (90357335)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 合成化学 / イオン交換 / 反応・分離工学 |
Research Abstract |
本研究は、近年、健康リスク因子として人体への有害性が指摘されている過塩素酸イオンを選択的に捕捉するための無機陰イオン交換体を開発するとともに、過塩素酸イオンを添加した水道水中の過塩素酸イオン濃度を20 ppb以下まで低減する技術を開発するものである。 昨年度、層状構造を持つモンモリロナイトの層間に塩化ヘキサデシルピリジニウムを挿入した化合物が、過塩素酸イオンに対して高い分配係数を示すことを明らかにした。そこで、今年度は、水道水中の過塩素酸イオンを塩化ヘキサデシルピリジニウム担持モンモリロナイトで捕捉し、どの程度まで過塩素酸イオン濃度を低減できるかを調べた。バッチ法での吸着実験の結果、イオンクロマトグラフィー法による検出限界(10 ppb)以下まで過塩素酸イオン濃度を低減でき、本研究の目標値である20 ppb以下を達成した。 この過塩素酸イオン低減技術の上水処理への応用性について検討するため、カラム法による評価を行った。カラム実験は、塩化ヘキサデシルピリジニウム担持モンモリロナイトをガラスカラムに充填し、過塩素酸イオン濃度が500 ppbになるように調整した水道水を流し、カラムからの排出液をフラクションコレクターでサンプリングした。サンプリングした溶液の過塩素酸イオン濃度を調べたところ、吸着剤の充填体積(1 BED)の4,000倍の体積(4000 BED)以上、イオンクロマトグラフィー法では検出されず、10 ppb以下に低減できることがわかった。また、初濃度が約2,000 ppbであった硝酸イオン濃度も、1,500 BEDまで、20 ppb以下に低減した。硝酸イオンは、過塩素酸イオンと同様に、健康リスク因子の1つである。当該化合物を用いることによって、過塩素酸イオンと硝酸イオンを同時に除去できことから、上水への応用性は高いと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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