2012 Fiscal Year Annual Research Report
高精度量子化学・統計力学計算による高分子の構造・物性予測の展開と検証
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22550190
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
笹沼 裕二 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30205877)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 高分子構造・物性 / 高分子合成 / 計算化学 / 分子特性解析 / 分子設計 |
Research Abstract |
(課題1)昨年度に見いだした高水溶性ポリ(N-メチルエチレンイミン)の凝集体の形態・サイズを静的・動的光散乱法で継続的に調査した。 (課題2)ポリブチレンテレフタレート(PBT)とそのモデル化合物のπ-π相互作用エネルギー補正法を検討し、その補正によりNMR、双極子モーメント、Kerr定数、ベンゼン環の2量化発光の実験をほぼ整合的に説明できた。同様の補正をポリトリメチレンテレフタレート(PTT)にも適用し、先のポリエチレンテレフタレート(PET)の研究と併せ、芳香族ポリエステルの溶液物性、熱的性質を統合的に説明した。PET、PTT、PBTの結晶弾性率をab initio計算で求め、実験と整合する結果を得た。以上のように、芳香族ポリエステルの基礎物性の発現機構をスペーサー部のコンホメーション特性から解釈した。 生分解性のポリヒドロキシブチレートのコンホメーション特性、溶液物性、結晶構造、分解酵素との相互作用をモデル化合物の分子軌道法計算とRIS法の計算で明らかにした。ポリ乳酸についても同様に研究を行い、希薄溶液の粘度・光散乱や融液の中性子線散乱・レオロジー測定でΘ状態の特性比が4.4.から12まで広範囲に評価されている原因をコンホメーション特性から説明した。 芳香族ポリエステルの酸素-硫黄置換体に相当するポリチオエステル、ポリジチオエステルでスペーサー部のメチレン基数(y)が3、4、5のポリマーを合成し、特性解析を行った。昨年度までのy = 2の結果も併せ、yの増加に伴い溶解性が増し、物性がyに依存し諸物性が変化することを示した。特にy = 3と5のポリジチオエステルで140 ℃付近で分子間で架橋反応が生じ、硬化剤なしで自己硬化することを見いだした。新規素材としての利用が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(19 results)