2012 Fiscal Year Annual Research Report
空気中で高速電場駆動する導電性高分子アクチュエータの開発
Project/Area Number |
22550192
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
奥崎 秀典 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (60273033)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 高分子機能材料 |
Research Abstract |
軽量で安価な高分子材料の変形を電気刺激により自在に制御できれば、ソフトでフレキシブルなアクチュエータや人工筋肉への応用が可能である。研究代表者は平成8年に、導電性高分子のポリピロールフィルムが水蒸気の吸脱着に応答して空気中で素早く屈曲する現象を見出し、メカニズムの解明と機能素子への応用について系統的な研究を行ってきた。しかしながら、フィルムの電気収縮率は約1%と小さく、実際の素子に応用するには変位を拡大する工夫が必要であった。さらに、電解重合によるフィルム作製に12時間以上かかることや、得られた素子の発生応力が小さい、繰り返し安定性や耐久性が低い等の課題が残されていた。そこで、これらの課題を解決するために、電気・力学特性や耐熱性、化学安定性に優れ、塗布により容易に成型可能なポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)に着目した。 PEDOT/PSSコロイド水分散液にPSSを添加することで、PSS組成比の異なるPEDOT/PSSフィルムをキャスト法により作製した。電圧印加によるフィルムの最大収縮率はPSSおよび相対湿度の上昇とともに増加し、最大7%に達した(PSS:93%、70%RH)。PEDOT/PSSの水蒸気吸着曲線はPSS組成比に依存しないことから、フィルムの電気収縮率向上のメカニズムは、添加したPSSによるフィルムの変形を妨げているPEDOT/PSSコロイド間の水素結合抑制と、相対湿度の上昇による含水率の向上に基づくことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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