2012 Fiscal Year Annual Research Report
反応誘起相分離によるメソスコピック構造形成の直接観察による素反応と構造形成の相関
Project/Area Number |
22550193
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 勝宏 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30314082)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 反応誘起相分離 / 小角X線散乱 / ラジカル共重合 / メソスコピック / 構造形成 / ハイドロゲル |
Research Abstract |
二種類の重合性化合物のラジカル共重合反応を通して高分子が生成する過程において、同時に相分離が誘起される系に注目した。その中でも、重合性化合物の組み合せとして低分子モノマーと両末端重合性のテレケリック高分子による共重合の系とした。反応初期は均一に相溶しているが、重合過程で高分子の生成(重合度が増大)に伴い、系の高分子濃度が高くなることで相分離が起きる。しかし、系のゲル化やガラス化により巨視的な相分離を起こすことができず、内部にメソスコピックな相分離構造を有する透明な重合体が形成する。この構造形成には、反応機構、反応率、高分子の運動性、相分離とガラス化およびゲル化といった様々な因子がカップリングし影響を及ぼす。この構造形成のダイナミクスを理解すること、および相分離のサイズや規則性を決定する因子を明らかにすることを目的とした。メソスコピックスケールの構造解析に有効な放射光小角X線散乱や中性子散乱法を利用し、高分子の相分離構造形成過程のその場観察から構造形成の時間発展を追跡した。また時間分割赤外分光法や熱分析、電子スピン共鳴法、核磁気共鳴法による素反応の追跡を行うことで、構造形成メカニズムに関わる構造と化学的要因との相関が明らかになった。より詳細な相分離構造の解析のためX線コントラスト変調法を考案し、ゲルを極性溶媒に浸漬した膨潤ゲルの相分離状態の構造解析を行った。親水性ドメインが単純な、均一相ではなく二成分以上の不均一構造であることが明確になった。このような構造は含水状態での親水性ドメインの物質透過挙動などの物性値に影響を与えること、また、試料の力学物性にも影響を与え、機能性評価において新たな考慮すべきパラメーターを与えるものであり、詳細な構造解析によって、新規機能性材料の開発の助けとなるものとなる。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(7 results)