2011 Fiscal Year Annual Research Report
ポリマーミセルを利用した高屈折・透明性無機/有機ハイブリッドの作製と応用
Project/Area Number |
22550199
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉永 耕二 長崎大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00040436)
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Keywords | 高屈折 / 透明 / ポリマーミセル / ハイブリッド材料 / ナノ粒子 / ブロックポリマー |
Research Abstract |
1.トルエン中で形成したポリアクリル酸とポリメタクリル酸メチルのブロックコポリマーの逆ミセルの親水コア中で、ジエチル亜鉛の加水分解を経て、15~20nmの酸化亜鉛ナノ粒子を合成することに成功した。その粒子とポリメタクリル酸メチルの複合化によって、比較的に透明性の高いハイブリッドフィルムを得ることができた。その屈折率は、チタニア含有量とともに増大し、計算値と一致したが、酸化亜鉛を10wt%以上含有するフィルムの可視光透過性は著しく低下した。 2.上記ブロックポリマーを用いて、同様に酸化ジルコニウムナノ粒子り合成における最適化を行ったところ、テトラ(アセチルアセトナト)ジルコニウムの加水分解を経る反応によって、15~20nmのナノ粒子を合成することができた。この粒子とポリメタクリル酸メチルの複合化によって得られたフィルムの屈折率は計算値と一致したが、この場合も10wt%の酸化ジルコニウム粒子を含むフィルムの400nmにおける可視光透過率は低下した。 3.これらのナノ粒子を含有するハイブリッドフィルムの可視光域での低透過性は、キャスト法によるフィルム作製時における粒子間凝集に起因することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本代表者は、平成23年3月に九州工業大学から長崎大学へ異動した。そのために、異動に伴う研究の停止と異動先での実験準備に時間がかかり、研究の進展がやや遅れている状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに、ブロックポリマーの逆ミセル親水コア内での酸化チタン、酸化亜鉛および酸化ジルコニウムのナノ粒子の合成に関しては、目標を達成している。最終目的の高屈折・透明なフィルムを作製するには、フィルム調製時の微粒子の凝集を阻止するために、キャスト法の最適化およびナノ粒子を含む逆ミセル溶液の加熱処理による粒子表面とブロックポリマー中のカルボキシル基の結合または相互作用を促進する方策と実施する予定である。
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