2012 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク構造への空間の導入による機能性エポキシ樹脂の創成
Project/Area Number |
22550202
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
越智 光一 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (30067748)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 美由紀 関西大学, 化学生命工学部, 准教授 (50411492)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 自由体積 / 充填密度 / 立体構造 / エポキシ樹脂 / ハイブリッド / 分子容 |
Research Abstract |
本研究は、ネットワークポリマーの屈折率や誘電率を、網目鎖自体の構造や特性を変化させるだけでなく,網目鎖に導入した空間の大きさを変化させることによって制御することを目的としている。 平成24年度には、高純度の4官能性エポキシ樹脂を様々な硬化剤で硬化し、その硬化物のガラス状態およびゴム状態での自由体積分率を評価すると同時に、硬化物の力学特性や光学特性と網目鎖の自由体積分率(即ち、充填密度)との関係を検討した。 その結果、ガラス状態では網目鎖の化学構造とは無関係に、硬化物の充填密度は0.69の一定値を持つことが示された。一方、ゴム状領域の充填密度は網目鎖への側鎖の導入にともなって低下することが示された。この結果から、ネットワークポリマーが冷却過程でゴム状態からガラス状態へ転移する際に、等しい自由体積分率(即ち、充填密度)を保持した状態で網目鎖の運動が凍結され、硬化物がガラス化する事が明らかになった。これは、古典高分子物理での等自由体積論が、ネットワークポリマーにも成立することを示している。 また、硬化物のガラス状弾性率は網目鎖間への空間の導入にともなって低下したが、その値は側鎖部を除いた主査骨格部の充填密度と良好な直線関係を示した。これは、試料にかかった応力を主査骨格部が担うためと考えられる。一方、屈折率も空間の導入にともなって低下したが、その値は側鎖部を含めた網目鎖全体の充填密度の関数となることが明らかにされた。即ち、網目鎖構造への空間の導入が、硬化物の物性によって異なった影響を与えることが明らかとなった。 平成22および23年度の研究結果を論文にまとめた。現在、欧文誌(J. Mater. Sci.)に投稿し、審査が進行中である。平成24年度の成果についても,すでに学会発表を終え、論文を執筆中である。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|