2011 Fiscal Year Annual Research Report
ハーフメタル強磁性体/超伝導体接合を用いた高効率スピン偏極電流注入源の創出
Project/Area Number |
22560001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松田 健一 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (80360931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 眞史 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (10322835)
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Keywords | スピントロニクス / ハーフメタル強磁性体 / スピン注入素子 / 超伝導近接効果 / 奇周波超伝導 |
Research Abstract |
本研究は、強磁性体/超伝導体多層膜を利用したスピン偏極電流注入素子の作製とその電気伝導特性評価を目的としている。平成23年度は、Co系ホイスラー合金やCoFe強磁性電極を用いた、通常のスピン偏極電流を用いた半導体へのスピン注入実験において一定の成果が得られた。すなわち4端子非局所測定によってスピンバルブ効果とハンル効果の観測に成功した。一方で、当初の目的である「スピン偏極超伝導状態」を用いたスピン注入実験には着手できなかった。前年度(H22年度)にNbN/Co_2Cr_<0.6>Fe_<0.4>Al/NbN接合を作製し、そこでスピン偏極超伝導成分(奇周波対称性をもつ成分)の存在を示唆する結果を得ていたものの、それが確証とは言えないことが判明した。従って、まず実験的な確証となるデータを得るべく、新しい超伝導体/強磁性体多層膜を作製し、強磁性層に対する長距離超伝導近接効果の存在を確認することを並行して行っていた。具体的にはMgO基板上にNbNとCoFeを組み合わせ、CoFe層の磁化方向を外部から調整できる層構造とした。現在は層構造の作製を終了している。H24の前半にも長距離超伝導近接効果の確認実験を遂行予定である。 H23年度の研究成果は、論文4件(査読有)、学会発表25件に発表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、スピン偏極した超伝導成分を、ハーフメタル強磁性体と介することで生成することが重要なポイントであるが、このスピン偏極した超伝導成分が生成されたかどうかについて、傍証は得ているものの完全に実験的な確証を得ることができていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
スピン偏極電流生成についての確証を得るため、新しい超伝導/強磁性体多層構造を作製し、その構造での強磁性層に対する長距離超伝導近接効果を確認することが必要である。またその方向で、すでに実験計画を推進している。 さらにその実験と並行して、一般的に(すなわち金属や半導体に対して)スピン注入素子として機能させるための最適な層構造を検討し、また実証していく計画である。
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Research Products
(30 results)
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[Presentation] Co_2MnSiを用いたGaAsへのスピン注入および動的核スピンの検出2011
Author(s)
秋保貴史, 原田雅亘, 植村哲也, 松田健一, 山本眞史
Organizer
The 16th Symposium on the Physics and Application of Spin-Related Phenomena in Semiconductors (PASPS-16)
Place of Presentation
東京工業大学博物館・百年記念館 フェライト会議室、目黒区(東京都)
Year and Date
2011-11-29
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