2012 Fiscal Year Annual Research Report
ハーフメタル強磁性体/超伝導体接合を用いた高効率スピン偏極電流注入源の創出
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22560001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松田 健一 北海道大学, 情報科学研究科, 助教 (80360931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 眞史 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (10322835)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | スピントロニクス / 電子デバイス / 超伝導近接効果 / ハーフメタル強磁性体 |
Research Abstract |
本年度は,超伝導体としてNbN,強磁性体としてCoFe,Co2MnSiを用いた超伝導体/強磁性体エピタキシャル積層構造を作製し,その構造において,強磁性体中への長距離にわたる超伝導近接効果が存在するかについて検証した.しかしながら,良好な特性が得られなかったため,デバイスの構造の見直しと,ハーフメタル強磁性体の界面電子状態を再度確認することを行った. 具体的には,NbN/MgO/Co2MnSiの構造を持つ超伝導体/絶縁体/強磁性体接合を,全層エピタキシャル成長した薄膜を用いて作製し,低温領域でこの接合の微分伝導度測定を行うことで,Co2MnSiのスピン偏極率評価を行った.特に,Co2MnSi中のMn組成とスピン偏極率には顕著な関係があることが山本(北海道大学)等の研究によって明らかになっていることから,本実験でもMn組成依存性について検討を行った. その結果,どの試料についても,アンドレーエフ反射の抑制されたトンネル伝導特性が明瞭に観測された.このデータについて,いわゆるBTK理論を適用した解析を行ったところ,強磁性トンネル接合で観測されたような高いスピン偏極率を得ることはできず,高くてもおよそ60%程度のスピン偏極率を得るにとどまった. 一方,そのスピン偏極率のMn組成依存性は,Mn組成が0.72 - 1.40の範囲では,徐々にスピン偏極率が増加する傾向をしめし,これは強磁性トンネル接合でこれまで得られた結果と定性的には一致する結果を得た. これらの研究成果は,国際会議"International Conference in Magnetism 2012 (Busan)"や,第73回応用物理学会学術講演会(愛媛大学・松山大学)等にて発表した.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)