2012 Fiscal Year Annual Research Report
スピン軌道相互作用系におけるスピンネルンスト効果の理論と観測
Project/Area Number |
22560004
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
白崎 良演 横浜国立大学, 工学研究院, 准教授 (90251751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 彰 東京大学, 物性研究所, 助教 (20260515)
中村 浩章 核融合科学研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (30311210)
長谷川 靖洋 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (60334158)
羽田野 直道 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (70251402)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | スピン軌道相互作用 / ナノワイヤ / ネルンスト熱電能 / ビスマス / InGaAs系 / シュブニコフ・ド・ハース振動 |
Research Abstract |
本研究課題では、強磁場の下でスピン軌道相互作用(SOI)を持つ系の電子状態を調べ、熱流によってスピン流が現れる条件を明らかにすることと、SOIを持つ2次元系やナノワイヤのスピン流と磁化の関係を調べ、スピン流が関わる物理現象の検討を行うことを目的にしている。 平成24年度では、我々は強磁場下ナノワイヤのフォノンドラッグ効果と、SOIを持つ2次元電子系の電子状態を調べ、また実際のナノワイヤの電気物性を調べた。 まず、ビスマス単結晶ナノワイヤのネルンスト熱電能をフォノンドラッグ効果を考慮に入れ理論計算した。強磁場下では、磁場を変化させキャリアのランダウレベルをフェルミレベルと同程度の高さにするとネルンスト熱電能のピークが現れるが、ナノワイヤではワイヤ径を数百nmから小さくしていくと約100nmのところでピークの高さが極大になり、これより小さい径ではネルンスト熱電能が減少することを確認した。 また、InGaAs系ナノワイヤの電子状態を、SOIを考慮に入れ理論的に厳密に調べた。磁場を加えない場合では、ワイヤの横方向の境界条件によらず、キャリアの波数がゼロ付近のところで擬一次元チャンネルにギャップが現れることを確かめた。従来、このギャップは周期境界条件下かワイヤの縦方向に平行な磁場を印加した時に現れると考えられていた。このギャップの存在により、SOIを持つナノワイヤは温度勾配を加えることにより磁化を持つことが理論的に示される。 一方、我々は水晶テンプレートにより作成したビスマス単結晶ナノワイヤの電気抵抗を四端子法で測定し、更に強磁場中でのナノワイヤのシュブニコフ・ド・ハース振動を測定した。その結果、ワイヤ径が百nmから数百nm程度の範囲では、ビスマスナノワイヤのフェルミエネルギー、キャリア密度、電気抵抗はバルク単結晶のビスマスと同程度の大きさであることを確めた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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